
文部科学省が請求した世界平和統一家庭連合(家庭連合、旧統一教会)の解散命令について審理してきた東京地裁(鈴木謙也裁判長)は25日、解散を命じる決定を出した。
過去に法令違反を理由に解散命令が確定したのはオウム真理教と明覚寺のみで、いずれも刑事事件が根拠となり解散命令を受けた。
家庭連合は幹部らが刑事責任を問われておらず、民事上の不法行為のみで宗教団体の解散を判断した初のケースとなった。教団側は不服を申し立てることができる。
宗教法人法は「法令に違反し、著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為」や「宗教団体の目的を著しく逸脱した行為」があった場合、裁判所が解散を命令できると定めている。一方で、憲法が保障する「信教の自由」の観点から、手続きに慎重さを求めているが、東京地裁は解散に当たると判断した。
非公開の審理を巡っては、文科省が解散請求の根拠として提出した陳述書に捏造があったと世界日報や一部メディアが報じていた。
解散命令の決定を受けて、家庭連合は「今回の決定は、誤った法解釈に基づいて出された結果である」とし、「到底、承服できるものではない」との見解を発表。東京高裁への即時抗告を検討していくとした。
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◇家庭連合が発表した見解の全文は以下の通り◇
本日、東京地裁は世界平和統一家庭連合に対する解散命令請求について、解散命令を認める決定を行ないました。誠に遺憾ではありますが、今回の判決内容を重く受け止めつつ、東京高裁への即時抗告を検討して行く所存です。
今回の決定は、誤った法解釈に基づいて出された結果であると言わざるを得ず、当法人としては到底、承服できるものではありません。
また、今回の決定は宗教法人法の法令違反に関して、これまで解散事由になかった「民法の不法行為」が含まれましたが、これは、民法上の不法行為が宗教団体の解散事由に該当するということに他ならず、日本の信教の自由、宗教界全体に大きな禍根を残すものと考えます。
当会は2009年のコンプライアンス宣言以降、民法上の大きな問題も発生していない上、献金について信徒の方々と「確認書」を取り交わすなど、内部における改革を熱心に推進した結果、日本司法支援センター「法テラス」での調査結果が示すように今では献金をめぐる新たなトラブルは皆無に等しいと言えます。
決定の不当性についてはこの後、詳しくご説明いたしますが、日本の宗教を大きく揺るがすものとなることは間違いありません。
安倍元首相の事件以降、メディアやSNSなどを通じて当法人に対し誤った見方が非常に多く流布されました。これにより、当法人の信徒の人権が侵害されるケースも相次ぎました。今回の決定が原因で、国民の皆様や一般社会に当法人信徒への不当な差別等が起こることが無いよう、心より強くお願いする次第です。
当会は、1人1人の信徒の皆さまが日夜、誠実に教義を実践する宗教団体です。
信徒の家庭に生まれた信教2世の皆さまも、その7割以上が「家庭連合の2世に生まれて良かった」と主張しています。そのような宗教団体に対して解散命令を認める今回の決定がどれほど誤っているのか、その不当性を多くの国民の皆さまにも知っていただきたいと思います。
