
世界日報の読者でつくる「世日クラブ」の定期講演会が22日、オンラインで開催され、本紙編集委員の上田勇実氏が、「風雲急を告げる韓国情勢~尹大統領『弾劾』の深層」と題して講演。韓国の尹錫悦大統領の弾劾は「単なる大統領の裁判問題ではなく、国の自由民主主義を守る戦い」と強調した。
韓国では2024年12月、戒厳令が原因で尹大統領の弾劾訴追案が可決された。上田氏は「憲法裁判所は手続きを急いでいるが、それには左派陣営の思惑が影響している」と指摘した。最大野党「共に民主党」の李在明代表は現在、公職選挙法違反の罪に問われており、その裁判スケージュールをにらむ党の戦略という。
上田氏は、戒厳令の問題の本質は「自由民主主義を守るか、全体主義・共産主義的路線への転換を受け入れるか」であり、「尹大統領が戒厳令を通じ国家の体制危機に直面していることを示した」という識者のコメントを伝えた。
尹大統領の職務罷免の判決は3月11日が有力視される。その後に行われる大統領選挙の鍵を握るのは、20~30歳の世代だ。上田氏は、若年層は最初は戒厳令に否定的だったが、徐々に「SNSを通じ事実を自ら調べるようになり、国家が転覆状態にある状況に気づき始めた」と分析した。