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鶴岡八幡宮の大イチョウ/神奈川県鎌倉市

中国からの導入は室町時代

鶴岡八幡宮の本宮へ上る石段の脇に、樹齢1000年を超すといわれた大イチョウがあった。鎌倉幕府3代将軍実朝が、兄頼家の子、公暁によって暗殺されるとき、公暁(くぎょう)が隠れて待ち伏せていたという伝説がある。

しかし2010年3月、春の嵐で根元から倒れてしまった。その後、関係者らによって再生の処置が施され、残っていた根から新しい木が成長している。

倒伏した幹は根元の上の部分で切断し、脇に移動させて移植。こちらも根元に近い部分から新しい枝が出ている。すごい生命力だ。境内の鶴岡ミュージアムでは幹の中間部分が展示されている。

ところで舘野正樹著『樹木の教科書』(ちくま文庫)によると、日本のイチョウは100万年前に絶滅し、中国から再導入されたのは室町時代。公暁がイチョウの後ろに隠れることはできないという。そしてイチョウの寿命も400年程度だという。

この事件を伝えた『吾妻鏡』や『愚管抄』にはイチョウの記述はない。『吾妻鏡』には「公暁は石段のそばにうかがいでて、釼をかざして実朝将軍に斬りかかった」とあるだけだ。

大佛(おさらぎ)次郎の小説『源実朝』にもイチョウは登場しない。『吾妻鏡』に基づいて書かれたからだ。伝説は採用しなかった。

(増子耕一)

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