トップ国内自虐史観脱し防衛意識強めよ【羅針盤】

自虐史観脱し防衛意識強めよ【羅針盤】

1945年8月15日、玉音放送によりポツダム宣言受諾および日本の降伏が国民に告げられてから、間もなく80年を迎える。敗戦とそれに続く6年8カ月の米軍占領下で、それまで日本人が大切に継承してきた伝統、文化、価値観等の全てが否定され、自虐史観が刷り込まれて久しい。

戦後日本は、国の防衛は米国頼みで、浅薄な平和主義に覆われ、世界から「エコノミックアニマル」と揶揄(やゆ)されつつ、経済的繁栄のみを追い求めてきた。ごく最近になり、防衛費増額、自衛隊員の処遇改善などの動きが出てきたが、いまだ極めて中途半端だ。

翻って国際情勢を見れば、ロシアによるウクライナ侵略やガザ地区での戦闘等、国際社会はルールより力が支配する世界に変わりつつある。英国の雑誌エコノミストが毎年発表する世界の民主主義指数によると、2024年、民主主義といわれる国は欧米、日本など24カ国、これに対し権威主義国家は2倍以上の59カ国だ。しかも民主主義国家のリーダーだった米国は、トランプ政権となり「アメリカファースト」と称し既存のルールを無視した帝国主義的傾向をむき出しにしている。

我が国では、日米同盟が安全保障の要との認識は広く共有されているが、昨年秋、日本財団が「国家安全保障」をテーマに全国の17~19歳1000人を対象に行った調査で「他国から日本が攻撃・侵略された時に米軍が守ってくれる」と答えた若者はわずか31%だ。

すなわち約7割の若者は米国が当てにならないと思っている。しかるに、約5年ごとに行われる世界価値観調査で「戦争が起こったら国のために戦うか」に「はい」と答えた割合は、日本の場合、毎回15%前後で、世界79カ国の中で飛び抜けて少ない。国民一般に国家防衛に関し当事者意識がない。

イタリア・ルネサンス期の政治思想家、マキャベリは「自らの安全を自らの力によって守る意思を持たない国は、独立と平和を期待することはできない」と言った。日本は狭い島国だ。万一他国の侵略を受ければ、逃げる場所など何処にも無い。いざとなれば開き直って抵抗するか侵略者に隷従するしかない。

しかし現状では国民の防衛意識は極めて希薄で、まさに亡国の危機だ。憲法での位置付けは不明確でも、現有自衛隊を最大限増強し、侵略者に、我が国への侵略は労して功無しと思わせるのが当面、国家の最優先課題だろう。「自主憲法制定」「国軍の創設」「スパイ防止法の制定」「サイバー対策の確立」等、課題は山積みだが、優先順位は明白だ。(遊楽人)

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