トップ国内「暴力の応酬」どう食い止めるか 愛媛で信教の自由と人権を守る集会

「暴力の応酬」どう食い止めるか 愛媛で信教の自由と人権を守る集会

パネルディスカッションをする登壇者ら=11日、愛媛県松山市(宮沢玲衣撮影)

信者を標的に拉致監禁し強制棄教を迫る問題を話し合う「第2回信教の自由と人権を守る愛媛シンポジウム」(主催・愛媛信教の自由と人権を守る会)が11日、松山市で開かれ、世界平和統一家庭連合(家庭連合、旧統一教会)の信者ら約300人が参加した。

ゲストスピーカーとして、家庭連合を精力的に潜入取材しているノンフィクションライターの窪田順生氏が登壇した。大手紙記者などの経歴を持つ窪田氏は、家庭連合信者への拉致監禁・強制棄教を大手メディア記者らに問題提起すると「『悪』に感化された人を『正義』に転向させるには拉致・監禁という暴力的手段も仕方がない」という答えが返ってくるという。それに疑問を感じながら取材を重ねていくうちに、拉致監禁・強制棄教が戦前・戦中の思想犯への対し方と似ていることに気付いたと語った。

戦前・戦中の共産主義者は思想犯として取り締まられ、家族愛や宗教を用いて説得され、それでも「転向」しない人には最終手段として監禁が行われていたという。1943年に司法当局が公表した統計によると、起訴された2440人のうち多くが転向し、最後まで共産主義を貫いたのは37人だった。

その共産主義者らが実権を握った際に、自分たちに用いられた手法を家庭連合信者に適応し「家族愛を利用して家庭連合の信仰を棄教させる拉致監禁につながったのでは」。窪田氏はこう推測し、「人は自分がやられた暴力を弱い立場の人間に再現しがち」だと、親子間の虐待を例に挙げて指摘。この「暴力の応酬」の連鎖を「唯一食い止められるのは宗教なのではないか」と持論を語った。

このほか、シンポジウムでは、元日本基督教団牧師で現在はユーチューバー牧師の岩本龍弘氏、家庭連合2世信者で「信者の人権を守る二世の会」の小嶌希晶代表らが講演した。

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