
北朝鮮による拉致被害者の救出に向け活動をする韓国の社団法人「戦後拉北者被害家族連合会」の崔成龍理事長らは30日、東京の在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)中央本部を訪れ、被害者情報などが印刷されたビラを手渡そうとしたが、警備に当たった警察の細かい規制に遭い、断念した。
崔氏は当初、本部正門前で旧正月に合わせた韓国式の祭事を行い、被害者送還などを求めるメッセージを朗読した後、ビラを総連側に手渡す予定だった。警察が正門前での行動を事細かく規制したことで、崔氏側が急遽(きゅうきょ)予定を全て取りやめた。

崔氏は正門から約100㍍離れた歩道で記者会見し、「日本入国時に同行者1人が韓国に強制送還された上、今日もドローンを使用しない前提で訪問したのに予想以上に規制された」と述べ、困惑気味だった。
記者会見の最中、総連本部では屋上やバルコニーから関係者数人がカメラを手にしたり、ビデオを設置して様子をうかがったりしていた。
韓国政府は昨日、強制送還などの措置を巡り日本側に抗議したもよう。崔氏は31日、朴吉吉熙・駐日韓国大使と面会する予定で、「大使からねぎらわれる」(同連合会メンバー)見通しだという。