






「雪はそれほどでもないですね。降る時は腰の辺りまで積もるから」
大内宿(おおうちじゅく)を訪ねて、係の人に雪の具合を聞くと、最近は降ってもせいぜい膝上くらいだという。それでも雪をかぶった建物群を見ていると十分に風情を感じる。
福島県南会津にある大内宿は、江戸時代、会津若松と日光今市を結ぶ道の宿場町として栄えた。明治以降、交通路の変化により開発を逃れ、現在も江戸時代の面影そのままに茅葺(かやぶき)屋根の民家が街道沿いに立ち並ぶ。国選定重要伝統的建造物群保存地区に指定され、「売らない・貸さない・壊さない」の住民憲章3原則を守り、景観保存と継承に取り組んでいる。
道の両側に連なる40軒余りの家屋は店舗兼住居となっていて、土産物屋、食堂・カフェ、民宿などが営まれている。観光地によくある無粋なBGMなどとは無縁の場所だ。電線が無いのもいい。ゆったりとした時に身を任せ、宿場町をそぞろ歩けば、思いは遠い昔へ誘われる。
茅葺屋根の軒先で陽光に輝くつらら。犬を連れて訪れる人。店先の“美人専用”ベンチに腰掛け記念撮影をする女性。縁側で甘酒を売る店もあれば、色とりどりの土産物が所狭しと並ぶ店がある。
2月8、9両日には第39回雪まつりが開催される。この2日間は雪灯籠と本陣がライトアップ(18時~20時)されるほか、ぐし餅拾いやそば早食い競争、よさこい演舞、太鼓演奏などのイベントが行われる。初日17時からは御神火戴火の神事が行われ、その後花火の打ち上げで行事はハイライトを迎える。
(文・長野康彦)





