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「真実」伝える使命これからも

創刊50周年
創刊50周年

世界日報社長・主幹 早川俊行

「天地自然の理に学ぶ」――。

世界日報は1975年1月1日、創刊号の1面でこのような見出しの社説を掲載しました。人間に例えるなら、これが世界日報誕生の「産声」といっていいでしょう。

社説は次のように訴えました。

「自然にサイクルがあるように、歴史や文明にも大きなサイクルの流れがある。…現在われわれが直面している様々な終末的状況は実はこのような大きな天地自然の法則の結果から出てくるものが多いように思う。…もっと視点を変えて国家百年の大計に立ってわが国の英知を結集して現代の諸問題に取組む姿勢が必要なのではないだろうか」

日本社会が直面する問題を解決するには、場当たり的な対応ではなく、自然や歴史、文明の法則に従い、「巨視的、総合的に将来をみつめ」ることが必要だと説いたのです。この主張は現代にもそのまま当てはまる内容であり、世の中の事象を本質的に洞察して読者に伝えていく世界日報の報道姿勢は、今なお脈々と受け継がれています。

「産声」から半世紀。世界日報は2025年1月1日をもって創刊50年の節目を迎えました。ひとえに読者や関係者の皆様のご愛顧、ご支援の賜物(たまもの)と深く感謝申し上げます。

世界日報が創刊された1975年は、米国が旧北ベトナム共産軍に事実上の敗北を喫する形でベトナム戦争が終結した年でした。国際共産主義の脅威が西側諸国に押し寄せる中、わが国では左翼的報道が大手を振るっていました。

日本の独立や自由・民主主義を守るために、共産主義の本質や実態を正しく伝えるメディアの登場が求められる中で誕生したのが世界日報でした。以来、日本を浸食する共産主義の脅威に警鐘を鳴らす役割を果たしてきました。

ベルリンの壁やソ連の崩壊により冷戦は終結しましたが、共産主義との戦いは終わったわけではありません。過激なジェンダー思想など形を変えて巧妙に浸透し、文化面から「革命」を起こそうとしています。共産主義との戦いはこれまで以上に複雑化しており、世界日報の役割は以前よりも増しているともいえます。

15世紀にドイツのヨハネス・グーテンベルクが活版印刷術を発明したことで、人類の情報伝達量は飛躍的に拡大し、後に新聞が生まれる発端となりました。そのグーテンベルクが最初に印刷した本格的な書物が聖書だったことは有名です。

活字情報はそれまで一字一句書き写すしか方法がなかったため、聖書を読めるのは聖職者らに限られていました。グーテンベルクは聖書の印刷に取り組んだ理由について、次のように語ったと伝えられています。

「神は御言葉が届かない大勢の魂に苦しんでおられる。宗教的真理は少数の手書き本に閉じ込められ、公共の財産が広められないでいる。聖なるものを閉じ込める封印を解き、真理がすべての魂を獲得できるよう、真理に翼を与えよう」

グーテンベルクは人々に真実を伝えるために活版印刷を発明したわけです。これが新聞を含むメディアが発展してきた原点といえるでしょう。

最近、既存の大手メディアよりもSNSを通じて情報を得ようとする人が増えています。大手メディアは「真実を伝える」という役割を十分に果たしているでしょうか。

世界日報の社訓は「真実・勇気・理想」です。新たな50年に向かい、読者の皆様に「真実」を勇気と理想を持ってお伝えすべく、社員一同、全力を尽くしてまいります。

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