トップ国内国内外の「今」の全体像を読者に届ける力に期待

国内外の「今」の全体像を読者に届ける力に期待

平成国際大学副学長 浅野 和生氏

平成国際大学副学長 浅野 和生氏
平成国際大学副学長 浅野 和生氏

「闇バイト」と「特殊詐欺」の加害・被害情報を目にしない日はない。これらの問題が一向に減少しない要因の一つに、新聞の社会的影響力低下があるかもしれない。

ICT(情報通信技術)とSNS(インターネット交流サイト)の発達と浸透により、流通する情報量が増大し、即時性が高まる一方、各自が接する情報は、個人の関心と好みに領域が限定され、情報摂取の偏食化が進んでいる。

日々変化する世界と日本、地域社会の現状と課題を、必要かつ消化可能な分量にして、バランスよく摂取できるよう、紙面を構成して情報提供するのが新聞の役割である。公平、公正な新聞を、人びとが毎日読んでいれば、犯罪の加害・被害情報は広く共有され、不幸な事件は減少するのだろう。

無論、新聞の取材と編集は、社会の公正と正義、個人・家族・社会のあるべき姿についての信頼できる価値観に基づかなければならない。世界日報は、50年間その実績を示してきた。

ただし、世界日報が今後もその使命を全うするためには、媒体の多様化に対応するとともに、情報の偏在と偏食を突破する浸透力をもたなければならない。スマホの画面という狭い空間には、ブランケット版新聞がもつ広がりと奥行きがない。

増大するスマホ読者を、掌中のディスプレイから救い出し、広い視野と深みのある論説へと導くための新たな工夫がなければならない。世界日報には、紙と情報端末のハイブリッドメディアとして、新聞革新の旗手となることを期待したい。

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