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日米豪が仮想部隊で共同指揮所演習へ

米海兵隊が参加は初めて

指揮所演習開始式に臨んだ日米豪の各国司令官=2024年12月6日、陸上自衛隊朝霞駐屯地 (森啓造撮影)
指揮所演習開始式に臨んだ日米豪の各国司令官=2024年12月6日、陸上自衛隊朝霞駐屯地 (森啓造撮影)

日本と米国、オーストラリアの3カ国による「共同指揮所演習」の開始式が6日、陸上自衛隊朝霞駐屯地(東京都練馬区など)であった。日本の島嶼(とうしょ)で武力攻撃を受けたとの想定で、コンピューターで仮想部隊を動かしながら連携を確認する。

陸自によると、演習には7000人超が参加。今回、沖縄に駐留する米海兵隊からは第3海兵機動展開部隊が初めて加わり、離島防衛などを想定した水陸両用作戦を実戦に近い形で行った。陸自は、陸海空3自衛隊を一元的に指揮する統合作戦司令部の来年3月発足を見据え、「スタンド・オフ防衛能力」の要となる長射程ミサイルも想定に組み込んでいる。

陸自と米陸軍は1982年、「ヤマサクラ」と呼ばれる最大規模の机上訓練を始めた。昨年から豪州軍が正式に加わった。米国の同盟国同士として防衛協力を強めている日豪関係が背景にある。

この日の開始式では、日米豪の演習部隊幹部が訓示し、3カ国の絆をアピール。山根寿一陸上総隊司令官は「日米豪の絆の強さを示す重要な訓練」と強調した。

共同記者会見に臨んだ米太平洋陸軍副司令官のジェイビー・バウル中将は、「中国、北朝鮮、ロシアの脅威には3カ国が協力することでのみ抑止できる」と話した。豪陸軍第1師団長のアッシュ・コリンバーン少将は「インド太平洋地域の安全保障環境は厳しく、複雑化しており、各国が単独で対応するのは困難」とし、「演習を通じて関係を深め、抑止力を強化できる」ことに期待を示した。

演習は過去最大規模で、健軍駐屯地(熊本市)など国内外を拠点に14日まで行われる。フィリピン、イギリス、カナダ、シンガポール、フランス、インドの各軍がオブザーバーで参加する予定。

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