
前知事の失職に伴う兵庫県知事選が17日投開票され、前知事の斎藤元彦氏(47)が前同県尼崎市長の稲村和美氏(52)ら新人6人を破り、再選を確実にした。パワハラ疑惑などを巡る告発文書問題で混乱した県政の舵取りは再び斎藤氏が担う。
当確を受け斎藤氏は、「謙虚な心を刻み、(職員との)信頼関係を再構築し再スタートをする」と誓った上で、「SNS(交流サイト)を通じた選挙戦で支援の輪が広がった。県民一人一人の勝利だ」と詰めかけた支援者を前に力強く語った。
斎藤氏は3年前の知事選で初当選。3月に発覚した自らのパワハラ疑惑など告発文書を巡る対応が問題視され、県議会が9月に全会一致で不信任決議を可決した後、斎藤氏が自動失職。出直し選挙となった。
斎藤氏は、自民党や日本維新の会の推薦を受けた前回選挙と違い政党の支援がない中、SNSを積極的に活用した。斎藤氏の再選を目的に立候補した政治団体「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志氏(57)の支援も手伝い、X(旧ツイッター)のフォロワー数は約2カ月の間に5倍以上の18万人超に達した。県議会やメディアを批判しながら、1期目で力を入れた若者支援策の継続などを訴えると、既存政党不信の受け皿として支援の声は日増しに広がり、序盤の劣勢を覆した。
稲村氏には自民の一部や立憲民主党、国民民主党などの議員らのほか、県内22市長が支持。県政刷新を呼びかけ、ハラスメント防止条例の制定や公益通報制度の見直しを主張したが、及ばなかった。
斎藤氏再選を受け、県議会の各会派がどのような態度で斎藤県政に臨むかが焦点となる。





