「赤旗」強制勧誘問題
宇都宮市議会の広報紙最新号(10月30日)は、日本共産党の福田久美子市議による庁舎内での「しんぶん赤旗」勧誘が倫理違反であると認定され謝罪文の読み上げを議場で行ったことと、謝罪文の概要を公表した。同広報紙は、市民向けに約15万部、年4回発行されている。
倫理委員会(自民、市民連合、公明、維新で構成)は9月6日、福田議員について「倫理に関する条例に定める倫理基準「議員の品位と名誉を害し、市民の信頼を著しく損なう行為をしないこと」に違反すると全会一致で認定。これを受けて馬上剛議長が「議場における謝罪文の読み上げ」と「議会広報紙による公表」の措置を決定し、福田市議は9月定例会最終日の10月1日、謝罪文を読み上げた。
広報紙には、概要として「政党機関紙の勧誘行為によって、心理的不安を感じられた職員の皆様にはこころよりお詫び申し上げる。宇都宮市庁舎管理規則のルールに従い、趣旨を踏まえ正確に対応していく。議員としての慎重さに欠けていた点について反省し、今後、さらなる議員倫理を自覚し、議会の品位を汚すことの無いよう努めていく」と記されている。こうした措置は、職員への謝罪を議場で行うにとどまらず、広く市民にも周知させるために行われたもの。
福田市議の「赤旗」勧誘問題については、民間の「政党機関紙の庁舎内勧誘行為の自粛を求める栃木県民の会」(兼子孫芳代表)が今年1月、庁舎内の実態調査を陳情。これに反発した福田市議が3月定例会で反対討論を行ったが、自民など4会派が「特定の団体名を挙げ、陳情と関係のない発言をした」として懲罰動議を提出。そのための懲罰特別委員会が設置され、福田市議は陳謝の懲罰を受けていた。
また、同市が陳情の本会議採択を受け、管理職(主幹級)以上の職員を対象にしたアンケート調査を実施(4月30日~5月7日)した結果、3年前の各会派代表者会議で「赤旗」勧誘の「自粛」を約束した以降も勧誘が続けられていたことだけでなく、管理職の半数が勧誘される際「心理的圧力を感じ」ていたことが明らかになった。これを問題視した議長はじめ40人の市議は6月定例会最終日の28日、起立して市職員に謝罪を表明したが、当事者3人の共産党議員は座ったままだった。倫理委員会の設置請求がその直後に超党派の議員から出されていた。(「しんぶん赤旗」勧誘問題取材班)