基本的人権と信教の自由がテーマのシンポジウムが26日、浜松市で開かれ、登壇者は世界平和統一家庭連合(家庭連合、旧統一教会)の信者が受けている拉致監禁・強制棄教は人権侵害であり放置してはならないと訴えた。基本的人権・信教の自由を守る静岡県民の会(松下達也代表)が主催し、200人以上参加した。
ノンフィクション作家の福田ますみさんと主の羊クリスチャン教会の中川晴久主任牧師が基調講演した。福田さんは、「拉致監禁は戦後最大の人権侵害であり、反対派がビジネスとして利用しているにもかかわらず、メディアがまったく報じない」と指摘。その上で、「拉致監禁された信者が背教者になって嘘八百を並べて裁判した」結果、解散命令請求のきっかけになったと分析した。
中川牧師は、「(反対派が)悪質なプロパガンダを流した結果、家庭連合が『カルト』とレッテル貼りされ社会的地位が貶められる。そして、カルトからの脱出という大義で拉致監禁が正当化されている」と説明。家庭連合の問題は、「安倍派つぶしのための政争の具となってしまっていて、テロリストの願望をかなえるために岸田首相(当時)が全力でアシストした」と批判した上で、「このままにしていたら日本は相当危ない」と危機感を募らせた。
シンポジウムには、拉致監禁の被害経験がある吉村正さんが山口県から駆け付けた。吉村さんは、拉致監禁は法的な人格の否定であり、「被害者である私たちが信教の自由と民主主義のために声をあげるべきだ」と訴えかけた。
参加者はシンポジウムの後、浜松市街地をデモ行進し、「基本的人権と信教の自由を守ろう」と声を上げた。また、シンポジウム会場では、家庭連合信者に対する拉致監禁・強制棄教についてのパネル展が併設された。