Home国内農道のわきで大黒舞も 鎌鼬の里芸術祭で舞踏/秋田県羽後町田代

農道のわきで大黒舞も 鎌鼬の里芸術祭で舞踏/秋田県羽後町田代

 

秋田県出身の舞踏家・土方(ひじかた)巽(たつみ)。秋田県羽後町田代(たしろ)地区は、土方の写真集『鎌鼬(かまいたち)』が撮影されたことで、突如として有名になった。

それにちなみ、「道路劇場田代の田んぼ」が9月29日開かれ、外国人を含め約70人の観客とカメラマンが秋の舞踏を堪能した。主催は、鎌鼬の里芸術祭実行委員会。

2日間にわたって開かれた同芸術祭の一貫で、秋晴れのもと稲刈り・稲架(かまいたち)掛け体験のあと、大黒舞などの踊りに続き、青森市の舞踏家・福士正一さんがパーカッション・ヤスタカさんらと舞踏を披露、稲刈りが終わった田んぼを自由自在に行き来した。

土方は写真家・細江英公(ほそええいこう)と、同町西馬音内(にしもない)から続く七曲峠を越えて1965年9月26日、前触れもなく田代地区に入った。稲刈りの真っ最中で、土方は道化となり狂者となって、田んぼや野良、民家など村のあちこちに出現し、さらに村の人たちを巻き込んで撮影が行われた。

わずか2日間の撮影だったが、69年に写真集『鎌鼬』が出版され、土方が創造した舞踏が世界のBUTOHとなり日本発のダンスとなった。

細江氏の来村と『鎌鼬』の写真展示をきっかけに2016年、地域の力で旧長谷山邸に鎌鼬美術館が開館。田代地区では牛の飼育が盛んで、稲穂を天日干しする稲架掛けを多くの農家が行う。道路劇場は、稲架掛け用の木組みに土方が登った場所の農道脇で行われた。

(伊藤志郎)

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