呂秀蓮氏 都内でフォーラム
台湾の呂秀蓮・元副総統(80)はこのほど来日し、民主主義の普遍的価値観、儒教文化の背景、ハイテク技術立国など共通のメリットを生かして、日本、台湾、韓国の人々の生活圏を民間交流で平和裏に繋ぐ、未来志向の「ウィンウィンウィン構想」を発表した。
呂氏は、女性初の副総統として2000年からの2期8年間、現在の頼清徳政権同様、国民党が第一党の立法院(国会に相当)に対応した経歴を持つ。また韓国国会で台日関係について、台湾は過去にとらわれる余裕がないとの立場を説明したことでも知られる。構想の発表は、2018年から呂氏が主導してきた東アジア平和フォーラムを通じて行われた。4回目を迎えた東京でのフォーラムには、下村博文衆院議員、片山さつき参院議員、石井苗子参院議員、8月に就任したばかりの台北駐日経済文化代表処の李逸洋代表が来賓参加した。台湾からは学者や企業人ら60人、韓国から40人が参加。日本と合わせて200人が参加した。
呂氏は日台韓の同構想について、台湾社会でも来日に先立ち発信した。9月末は国連総会の開会時期でもあるが、国連非加盟の台湾が緊迫する台中関係、また東アジアの緊張関係について、台湾と日本から元副総統として発信する意味がある。日本では9月27日に自民党総裁選が行われた。決選投票で敗れた高市早苗経済安全保障担当相が靖国神社の参拝を国内問題として首相に就任しても行うとした公約について記者が尋ねると、呂氏は「尊重する」と回答した。(外報部)