政教分離に反する審議会
精神医療や宗教などへの偏見による人権侵害をテーマとしたシンポジウム「地域社会の自由と民主主義を守る!」(信教の自由と人権を守る会・西北東京主催)が9日、都内で開かれた。市民の人権擁護の会日本支部代表世話役の米田倫康氏、ユーチューバーの三津間弘彦氏、ジャーナリストの福田ますみ氏が出席し講演した。
米田氏は日本の精神医療の状況について、「精神的な異常は脳に問題があるとし、患者は入院という形で強制隔離されている。根拠のない理論で恐怖をあおり、相手の人権を奪う行為が正当化されている」と強調。強制的な措置を撤廃し、人権に基づくアプローチの必要性を訴えた。
三津間氏は世界平和統一家庭連合(家庭連合=旧統一教会)に対する解散命令請求の方針を了承した文部科学相の諮問機関である宗教法人審議会に注目。公式ホームページで家庭連合を「カルト」と名指しする宗教法人の幹部が委員になっている点を問題視し、「政府が特定の宗教団体の主張に肩入れして、別の教団を攻撃するのは政教分離原則に反する」と主張した。
福田氏は家庭連合の信者であるだけで裁判が不利になる事例を示し、「社会の隅々まで統一教会へのプロパガンダが浸透している状態だ。普通なら絶対に通らないような解散命令請求も楽観視せず、反対の声を上げていただきたい」と呼び掛けた。