周囲や部外者を理解者に ノンフィクション作家の窪田氏
世界平和統一家庭連合(家庭連合、旧統一教会)の2世信者が立ち上げた「信者の人権を守る二世の会」は18日、シンポジウム「なぜそれでも統一教会を信じるのか」を東京都内で開いた。ゲストとして、教団信者で韓国・大邱カトリック大学で教鞭を執る鳥海豊氏と、ノンフィクション作家の窪田順生氏が出席し、基調講演やパネルディスカッションを行った。同会主催のシンポジウムは今回で6回目。
鳥海氏は教団について、「すべての宗教を包括し、すべての人類を救う決意と約束のもとに始まった宗教団体」と説明。その一方で、「目標などの時間的制約によって急ぎ過ぎていろいろな被害をもたらしたのは、本当に申し訳なく残念に思う」と話した。
また、強制棄教を目的とした拉致監禁の被害に遭った経験を持つ鳥海氏は、監禁した人々が「『君のために集まっている』と言いながら、こちらが本音で話すと全否定してくる。そうすると、心の中の大切なものがどんどん破壊されていく恐怖を感じた」と自身の体験について語った。
「家庭連合を取り巻く状況は、社会の暴走の前触れではないか」と懸念する窪田氏は、メディアの体質として「クレームの来ない安全な報道が好まれる」と指摘。クレームに弱いメディアを変えることは難しいとした上で、「世間の部外者や自分の周囲に理解者を増やしていく」必要性を訴えた。
また、宗教に否定的な日本人の視点で教団信者の言動を見た際、「その熱量を見て恐怖心が先立ち、つぶそうという動きにつながるのではないか。信者がいいことを言えば言うほど悪循環になっているなら、この回転を良い方に戻す作業が必要だ」との見方を示した。