『生きるんだ!ラッキー』『光と音のない世界で』など児童書ノンフィクション作家として活躍する池田まき子さんの足跡をたどる「池田まき子のあしあと展」が秋田県仙北市角館の新潮社記念文学館で開かれている(写真)。
約20年間で手掛けた著書は、コアラや馬などの動物ものから人物伝、絵本、紙芝居、翻訳を合わせると約30冊。全著書に「あらすじ」「まき子さんの『ここだけの話』」が添えられ執筆の思いが伝わる。
青少年読書感想文全国コンクール課題図書に選ばれた『クニマスは生きていた!』では、優良賞をとった小学五年生の直筆文とお礼の手紙を展示。絵本『なまはげ』では、版画を担当した早川純子さんの原画の試し刷りを見た女子高生が「版画の絵だとは思わなかった」と感心していた。
池田さんは1958年、秋田県の鹿角(かづの)市生まれ。30歳で語学留学のためオーストラリアの首都キャンベラに行き、翌年結婚し長女と長男を出産。フリーライターとして日本と豪州の新聞や雑誌に執筆しつつ作家活動をしてきた。
ほかに『花火師の仕事』『夢をあきらめない』『出動!災害救助犬トマト』、そしてアボリジニや奴隷解放に命を懸けた黒人女性の物語もある。
2018年からは青春期を過ごした秋田市に仕事の拠点を移し、執筆に加えカジュアル着物やグレイヘアなど女性のライフスタイルをテーマとした活動も展開。それらも紹介している。同館隣接の図書館に特設コーナーがある。同展は10月20日まで。
(伊藤志郎)