福田共産市議の違反審査
党機関紙「しんぶん赤旗」勧誘問題に関して、宇都宮市議会は先の6月定例会で日本共産党の福田久美子市議に懲罰を科したが、新たに倫理委員会を立ち上げ、同市議を審査する初会合を2日に開いた。同委員会の開催は3年ぶり。
福田市議は「勧誘を目的とした幹部職員への訪問は自粛する」旨の申し合わせを2021年11月4日の各会派代表者会議でしていた。ところが、今年の3月定例会で政党機関紙の勧誘行為などに関する実態調査を求める陳情が採択されたのを受け、宇都宮市が管理職(主幹級)以上の職員228人を対象に調査を実施したところ、「最初に勧誘された時期」が3年前15件、2年前7件、1年前11件の回答があったことが分かった。
このため、申し合わせ違反として自民、公明、市民連合、維新の4会派が馬上剛議長に条例第3条(倫理基準)に抵触していないか審査を求める請求書を連名で提出していた。委員会は自民4人、公明1人、市民連合2人、維新1人の計8人で構成、塚田典功市議(自民)が委員長に選出された。今後、福田市議に弁明の機会を与え、その内容を踏まえて倫理基準違反の認定をし、議長の取る措置を決める運びだ。
馬上議長は6月28日の定例会閉幕直後、「社会全体でハラスメント防止に対する意識が高まる中、市議会議長としてこのような調査結果となったことは大変遺憾であり、庁舎内での政党機関紙の勧誘で心理的負担を感じさせてしまったこれまでの行為に対し深くお詫(わ)び申し上げる」という長い謝罪声明文を読み上げ、それに同意した40人の議員と共に起立して市の職員に頭を下げた。3人の共産市議は着席したままだった。委員会関係者は「半数が勧誘時にパワハラを受けていたのは大きな問題だ」と語るとともに、厳しく対処していく姿勢を示している。