安倍元首相銃撃2年で献花―奈良
安倍晋三元首相が参院選の街頭演説中に銃撃されて死亡した事件から2年となった8日、事件現場の奈良市や出身地の山口県長門市に多くの人々が詰め掛け、安倍氏を偲(しの)んだ。
安倍氏が銃撃された奈良市の近鉄大和西大寺駅前に設けられた献花台には8日、朝から多くの人が訪れた。花を手向けて冥福を祈った人々は「感謝を伝えたい」「見守ってください」などと語った。
事件発生時刻の午前11時半ごろ、有志の国会議員らが献花し、遺影に向かって手を合わせた。日本維新の会の共同代表を務める大阪府の吉村洋文知事も献花に訪れ「凶弾で命が奪われたことは悔しく、無念。(事件が)昨日のことのように思い出される」と話した。また、政党・政策を超えてG20大阪サミットや大阪万博誘致に尽力してもらったことに謝意を示した。
安倍氏の慰霊碑がある奈良市の三笠霊園にも、追悼する人々が訪れ、花を供えた。霊園には新たに安倍氏の功績を刻んだ石碑も設置された。県内から訪れた60代の女性は、「世の中がもっと平和で良くなるよう、見守ってください」と声を掛けた。
昨年の命日には、銃に模した黒い筒を手にした男が現場近くで取り押さえられる騒ぎがあった。その影響で、駅前の献花台周辺の警備が強化され、厳しい荷物検査が行われた。事件を巡っては、安倍氏を手製銃で銃撃し殺害したなどとして、山上徹也被告(43)が殺人などの罪で起訴された。争点などを絞り込む公判前整理手続きが現在、奈良地裁で進められており、初公判は来年以降との見方が有力だ。