
みんなで風景や史跡を楽しむ“大人の遠足”「フットパス」が全国で行われている。秋田県の南部、由利本荘市矢島町では2017年からスタートした団体があり、その活動を紹介する企画展「矢島のフットパスをたどる」が矢島郷土資料館で開かれている。
実施しているのは「矢島フットパスを楽しむ会」(藤原和信代表)。会とフットパスとの出合いは14年10月に秋田県で国民文化祭が開催されたとき。16年に勉強会を開き、地図を広げて付箋紙片手に矢島のいい所を探し出し、翌年3月から歩き始めた。
パネル展示では、16年から19年までのコース7回分を道中の名所と経路図、写真数枚で紹介。参加者は毎回20~40人ほどで、デワクジラの骨の出土地は、この場所が800万年以上の昔は深い海だったことの証。直売所「やさい王国」がスタートの回では、馬頭観音の解説や農園での楽しいリンゴ狩り、また坂之下(さかのした)地域では農家民宿やかつての修験者の家、そして2頭の狛(こま)獅子の口と手毬(てまり)に入っている石の玉が外せない不思議等々、興味深い話題が続く。
同会では今年度、10月まで毎月フットパスを開催予定で、もうすぐ通算70回を迎える。会場には、18年度から23年度までの写真アルバムや「全国フットパスの集い」の報告書もある。企画展は7月28日まで。月曜日休館。
(伊藤志郎)