【連載】脅かされる信教の自由③ 第1部 岸田政権の暴走 河野消費者相の越権行為

2 0 2 2 年 8 月 29 日 、 Y o u T u b e で 公 開 さ れ た 第 1 回 霊 感 商 法 等 の 悪 質 商 法 へ の 対 策 検 討 会 で 発 言 す る 河 野 太 郎 消 費 者 相 、 画 面 に 映 る 検 討 会 委 員 の 紀 藤 正 樹 弁 護 士 ( 上 か ら 3 番 目 )

世界平和統一家庭連合(家庭連合)との関係を断った第2次岸田改造内閣は、法相主宰の「旧統一教会」問題関係省庁連絡会議を設置し、2022年8月18日、第1回会合を開いた。教団関係の被害者救済に政府が連携して当たることが目的だが、特定教団を名指しし、オール霞が関で当たろうというのだ。

その一方で、消費者担当相に就任した河野太郎氏は8月29日、消費者庁の第1回「霊感商法等の悪質商法への対策検討会」を開いた。冒頭で河野氏は「霊感商法は物品の販売だが、寄付の問題も指摘されている」として、寄付も検討の対象とすると述べた。さらに「場合によっては、消費者庁の担当の枠を超え」た論議を注文した。

河野氏の挙げた「寄付」行為は、基本的に宗教行為である。それを問題にし、制限を加えることは、信教の自由に抵触する危険性をはらむ。しかも消費者庁の管轄ではない。「消費者庁の担当の枠を超え」と言ったのはその点を意識したと思われるが、河野氏はスタンドプレーで信教の自由を脅かしたのだ。

検討会委員の構成や運営面も、公正さ・公平性を欠くものとなった。委員は8人だが、全国霊感商法対策弁護士連絡会(全国弁連)の紀藤正樹弁護士、日本脱カルト協会代表理事の西田公昭立正大教授、第1回検討会から教団の解散命令請求の必要性を述べ続けた菅野志桜里弁護士、そして、霊感商法と教団を結び付けて批判する意見書を出した日弁連の芳野直子副会長と、家庭連合に敵対的な立場の人物が半数を占める。他は民法専門の教授2人、消費者問題専門家2人で、当然のように紀藤、菅野両氏が議論をリードした。

議論の土台になる霊感商法の被害実態について、家庭連合は「2009年コンプライアンス宣言以降、霊感商法だと損害賠償を求めて訴えたものはない」、全国弁連は「多くの被害が続いている」と正反対の主張をしている。ところが、消費者庁が準備した資料(第1回)は、霊感商法(開運商法)に関する相談金額などを書いているが、家庭連合以外の団体も含み、未分類のものだった。

検討会の誰もそれを突き詰めないまま、①献金やお布施などをどう法的に規制するか②「カルト的な団体による違法な金銭的な搾取をどのように予防・救済するか」(教団への解散命令請求)という2点に論議が集中した。その際、教団関係者に出席を求めたりすることは一切なかった。

特に「個別事案に関する分析と検証」をテーマにした第4回は欠席裁判の様相だった。招かれた全国弁連の郷路征記弁護士が「会員が数万と言われている巨大な組織が、組織として私が言う違法な伝道・教化活動をやっていたということを立証するためには、…僕たちが持っている資料だけでは難しい…」として、「国が積極的に証拠の収集をすることが大切なのではないか」と述べる。これに菅野氏が「そうだとすれば、やはりここは政府の出番だと。宗教法人法第78条の2の質問権や報告徴収権を使えば…」と相槌(あいづち)を打った。

7回の検討会討議の取りまとめに当たったのも、民法専門の座長の河上正二東大名誉教授と宮下修一中央大学教授に紀藤、菅野両氏を加えた4人。そしてまとめられたのが「旧統一教会については、社会的に看過できない深刻な問題が指摘されているところ、解散命令請求も視野に入れ、宗教法人法第78条の2に基づく報告徴収及び質問の権限を行使する必要がある」とする10月17日付の報告書だ。

被害者救済を目的とした検討会が、その分限を超え、教団解散にまで言及したのである。その強権的問題に気付く人は少なかった。(信教の自由取材班)

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