「政治とカネ」で地方選連敗の自民、都知事選などで政党色隠し

東京都庁そばに掲げられている 東京都知事選挙のポスター掲示 板(豊田剛撮影)
全国各地の選挙で自民党推薦候補の落選が相次いでいる。派閥裏金事件に対する世論の強い批判が表れているとみられ、沖縄県議選(16日投開票)、東京都知事選(20日告示、7月7日投開票)への影響も避けられない。結果次第では、岸田文雄政権の求心力がさらに低下する。(豊田 剛)

4月以降の選挙を見ると、自民は4月28日、三つの衆院補欠選挙で不戦敗を含め全敗を喫した。地方選挙では、今月2日投開票の港区長選で、自民、公明両党が推薦した5期のベテラン現職が敗北。5月19日の神奈川県小田原市長選では、自民などが推薦する現職が、無所属元職に大差で敗れた。

自民幹部のお膝元でも厳しい状況にある。次期衆院選で岸田氏の選挙区になる広島県府中町の町長選(5月26日)は、自公が推した前町長の後継候補が無所属新人にダブルスコアに近い大敗を喫した。茂木敏充幹事長の地元栃木県の鹿沼市長選(6月9日)でも自公推薦の新人が落選した。

選挙の敗北が相次いでいる状況で、沖縄県議選が7日、告示されたが、連敗の流れを止められそうにない。

公明の山口那津男代表は9日、那覇市で行った街頭演説で、自民の「政治とカネ」の問題に触れ、「補選、知事選と負け続けた。国民の政治不信の強さを表している」と苦言を呈した。自民は、公明や保守系無所属と合わせて県議会の過半数奪還を目指す。国政野党の幹部の来県が相次ぐ一方で、自民幹部らが表に出ることはない。自民党沖縄県連関係者によると、「沖縄選出の国会議員が応援に入っても街頭演説することはなく、政党色は消してもらっている」。ある自民公認候補は、「あまりの逆風に、『為(ため)書き』(応援ポスター)すら貼りたくない気持ちだ」と漏らす。

都知事選では、自民が3選を目指す小池百合子氏を支援する方向で進めているが、政党色を表に出さない戦略が検討されている。都知事選と同日に行われる江東区や中野区など8選挙区(各欠員1)の都議補選では、自民は全選挙区に候補者を擁立するが、結果次第では第2会派に転落する。

11日に発表されたNHKの世論調査では、岸田内閣の支持率は発足以来、最低の21%を記録。自民の政党支持率も25・5%で、2012年に自民が政権復帰して以降、最も低かった。

ある自民党関係者は「地方にはそれぞれの事情がある」と指摘するが、内閣と党の支持率低下が地方選に与える影響は顕著だ。自民党政調会室長を務めた政治評論家の田村重信氏は、「都市部の選挙は、マスコミ報道の影響を受けやすい。現状、自民党推薦が逆風になっている」と述べた。ただ、「保守分裂や多選批判があるなど政党以外の要因が大きく、子育て支援や人口減対策など、その土地や時代に合った戦い方をすることが大事だ」と指摘した。

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