前期後期合わせて205点展示
チェコスロバキア出身の画家、アルフォンス・ミュシャの作品を集めた企画展が、栃木県の栃木市立美術館で開かれている。本邦初公開の鉛筆画「スカートをたぐる少女」をはじめ、ミュシャの出世作となった「ジスモンダ」や「黄道十二宮」など、前期後期合わせて205点の作品を展示。
ミュシャは19世紀末にヨーロッパで流行した芸術様式、アール・ヌーボーを代表する芸術家で、多くのポスター、装飾パネル、本の挿絵などを制作した。リトグラフと呼ばれる版画技法を用いて、女性や星、花などをモチーフとした作品が特徴。はがきサイズの小さいものから高さ2㍍以上の大作まで、見ごたえのある作品群が並ぶ。
学芸員の形井杏奈さんは「装飾などが華やかで活躍した時代と、苦労していた頃の作品の部屋を分けました。展示全体を見ることで、ミュシャの生涯を感じることができると思います」と話した。
会場にはミュシャが有名になる前、本や雑誌に描いた挿絵を展示する小部屋も設けられている。
6月9日まで。開館時間は午前9時半~午後5時。月曜休館(祝日の場合は翌日休館)。入館料は高校生以上800円、中学生以下無料。
(長野康彦)