歴史教科書の選定 透明性を 参政党東京議員団 25年度以降使用の中学教科書

教科書検定について記者会見した参政党議員団2月6日、東京都 千代田区の日本プレスセンター

来年度から中学校で使われる教科書検定の結果がこのほど公表された。中学校の歴史教科書の採択を巡っては、東京の一部教育委員会で不鮮明な採択が行われていることが議員らの証言で明らかになっている。各教育委員会が教科書採択手続きを行うのを前に、参政党の東京議員団が公平な採択をするよう関係各所に働き掛けている。(豊田 剛)

【特報】教科書検定 国の歴史に愛情を 改正基本法を反映せよ 新しい歴史教科書をつくる会 藤岡信勝副会長に聞く

令和3~6年度の東京都の公立中学校の歴史教科書採択は東京書院が29地区で過半数を占め、帝国書院(13地区)、教育出版(9地区)、日本文教出版(3地区)と続く。各社に共通するのは、憲法の記述で平和主義に立脚していることだ。

日本は中国やロシア、北朝鮮といった軍備増強国に囲まれている中、「平和主義の刷り込みを許していいのか」。参政党東京議員団は2月6日、教科書採択問題についての記者会見を都内で開き、こう問題提起した。同党は重点政策の一つに、「国や地域、伝統を大切に思える自尊史観の教育」を掲げている。

教育基本法第2条(教育の目標)には「公共の精神に基づき、主体的に社会の形成に参画し、その発展に寄与する態度」や「伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛する」態度を養うことを明記している。

ところが、ごく一部の私立中学でしか採用されていない自由社と育鵬社以外は、この方針を無視している。新しい歴史教科書をつくる会副会長の藤岡信勝氏は、教育基本法の狙いを反映していないことについて「『仏作って魂入れず』ではいけない」と批判する。

教科書採択の権限は教育委員会にある。文部科学省は1990年3月、「教科書採択の在り方の改善について」と題する通知で、「採択は、採択権者が自らの権限と責任において、適切かつ公正に行う必要がある。(中略)教職員の投票によって採択教科書が決定される等採択権者の責任が不明確になることのないよう、採択手続の適正化を図ることも重要である」と明記した。

練馬区の百川一郎議員によると、東京のある区では事前に配布される教科書調査委員用の資料で、読みやすさや表やグラフの使い方、難易度などでマイナス点を付けているが、「本来は記述内容を判断基準とすべきだ」と指摘。藤岡氏は、教科書採択の基準について、「IT技術でどの教科書が先を行っているかという競争になれば、本質から外れてしまう」と警鐘を鳴らした。

 港区の豊島邦博議員は、「事前配布資料によって採択の誘導がなされていないか」と懸念を示した上で、「教科書採択の際の客観的評価に対する疑問点が多い」と強調。「採択会場に多くの人が入ってきて意見を言うケースがあるが、静かに選べる環境が望ましい」と指摘した。

3月議会の一般質問で同議員は、①調査員の選任で業者との癒着はないかの確認②教科書選定のプロセス公開③教科書選定における静かな環境の保持――を求めた。ほかの複数の議員も、教育基本法の観点から適切に教科書が選ばれているのか議会で追及している。

教科書選定を巡る大きな事件は、2011年にさかのぼる。沖縄県の八重山採択地区(石垣市、竹富町、与那国町)での中学公民教科書の選定を巡り、左翼団体による抗議やメディアのネガティブキャンペーンが規則をねじ曲げた。

教科書無償措置法は「採択地区が二以上の市町村の区域をあわせた地域であるときは、協議して、種目ごとに同一の教科用図書を採択する」と規定されているが、竹富町は選定された育鵬社の使用を拒んだ。文部科学事務次官(当時)の前川喜平氏が許可したものだが、これについて藤岡氏は「教科書採択制度の根幹を歪(ゆが)めた大問題で、その後、この問題を誰も追及しない」と指摘する。

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