鎌倉入りを果たした白馬 金乗院義貞霊馬堂/埼玉県所沢市

埼玉県所沢市にある狭山丘陵は、雑木林や湿地、谷戸がある自然環境で、歴史の足跡をとどめた所でもある。

狭山湖東側の山中にある山口観音金乗院は真言宗の古刹(こさつ)で、弘法大師の開基。1200年余の歴史を持つ。山の斜面全体が境内で、見所が多いが、仁王門をくぐって最初に出合うのが義貞霊馬堂の白馬だ。

白馬は新田義貞公に仕えた馬で、義貞が元弘3(1333)年に鎌倉入りをした時、供となって忠義を尽くした。義貞は途中、ここで戦勝祈願をしたので、目的を成し遂げた後、白馬は余生をここで過ごした。そして500年ほど前に生まれ変わったという。

昭和43(1968)年に解脱会によってこのお堂が建て替えられた。その際に本橋俊男氏の手によって100頭の馬の彫像が作られ、寄進された。それらの彫像が白馬の後ろに収められていて、おびただしい馬が憩う牧場のようだ。

近くには西武球場があり、西武遊園地もある。新しいレジャーランドの一帯だが隣接しているのは歴史の道。金乗院は武蔵野七福神霊場であり、境内を散策すると、長い歳月、人々を呼び集めて来た聖地だということが分かる。

(増子耕一、写真も)

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