
洋画家・故西村榮悟氏の回顧展「回復と回帰・或る画家の一生」が、福島県川俣町の羽山の森美術館で3月31日まで開かれている(写真)。
2階会場には西洋人形(アンティークドール)をモチーフとして描かれた絵の数々をはじめ、風景、花、家族など日常の風景画約45点を展示。特に西洋人形の油彩画は、西村さんの幼少期の思い出や、氏自身の人生が投影されている。
また1階入り口脇には西村氏が訪れた国内外の旅先での美しい水彩画のスケッチも展示されている。
川俣町は養蚕と絹織物で栄えた町で、絹の買い付けに多くのバイヤーが訪れるとともに、西洋文化も流入。大正時代から西洋の文化を吸収した画家が多数存在した。
同館の矢野直彦さんは「川俣はもともと洋画の文化があった場所。ゆっくり見ていってください」と話した。
同美術館は廃校になった小学校の校舎を利用したもので、地域の象徴として小学校を残したいという地元の要望から、校舎を美術館として活用することになった。
なお、同館の常設展では地元にゆかりのある画家や彫刻家の手による見ごたえのある作品が展示されている。
開館は午前10時から午後4時。月曜日は休館。入場は無料。
(長野康彦、写真も)