世界平和統一家庭連合(旧統一教会、家庭連合)への解散命令請求は不当であり、宗教界の危機であるとして、「信教の自由と人権を守るシンポジウム」千葉県大会(主催・同千葉県民の会)が20日、千葉市内で開かれ、約300人が参加した。登壇者の一人で、主の羊クリスチャン教会の中川晴久牧師は、「カルト」というレッテル貼りが行われやすい日本の背景について、「オウム真理教事件の記憶とトラウマが利用されている。宗教界がその傷を癒やさないといけない」と訴えた。
中川牧師は、家庭連合信者を強制棄教させるために拉致監禁を実行してきた、いわゆる「脱会屋」が家庭連合信者の母親に「子供を放置するとオウムのように加害者になってしまう」と脅していたと指摘。その上で、オウム事件の「傷を癒やすためには『総括』が必要だが、でたらめを流し、脱会ビジネスへと利用してきた人たちに任せてはいけない」と強調した。
東京地裁で非公開で行われている解散命令請求の審理について、国際弁護士の中山達樹氏は、法律的には教団の解散はあり得ないが、「裁判は法律だけでは動かない。政治や世論の影響を受ける」と分析。さらに「皆さんの力が必要だ。リスクを取れる人は前に出て、できない人はできる人の応援をしてほしい」と聴衆に呼び掛けた。
このほか、来賓を代表して登壇した浜田聡参院議員は「(家庭連合について)まだ知らないことがたくさんある。拉致監禁のことはよく知らなかったし、解散命令請求も法人への税制優遇がなくなるだけだと思っていた。国会にも伝えていきたい」とあいさつした。浜田議員は12日の参院総務委員会で文部科学省に対し、家庭連合が受けた強制棄教による被害について質問している。
家庭連合信者による信教の自由をテーマにした集会は昨年来、全国各地で行われているが、現役国会議員が参加したのは初めて。(宗教と政治取材班)