明治以降の書家が一堂に アキタの書・その魅力/秋田県立近代美術館

日本と秋田を代表する書家の魅力を凝縮した企画展「アキタの書・その魅力」が秋田県横手市の秋田県立近代美術館で開催中。単なる書道展ではなく近代の書の歴史を俯瞰(ふかん)している点が特徴だ。同館収蔵の約260点から明治―平成の代表作53点を展示する。

会場入り口に明治以降の師弟関係相関略図を表示し、その中の書家作品が多くある。第1章「秋田・近代書の黎明期」では明治三筆の一人、日下部(くさかべ)鳴鶴(めいかく)と弟子の比田井(ひだい)天来、赤星(あかぼし)藍城(らんじょう)、内藤湖南らが登場。

第2章は松井如流「少字数書にみる絵画的空間表現へ」で、作品13点と資料(『中国書道史随想』ほか)を展示。唐の詩人・杜甫などの漢詩も多いが、一方で少字数の大字書の普及に務めた。「古」の字が記者には枝に止まっている野鳥に見え、花が実は「散」の一文字だったりと「これなら私も書いてみたい」と思わせる自由さがある。

そして第4章は大井錦亭の「雄大な書と詩的世界」。写真は『画龍点睛』(高さ1・5㍍、幅6㍍)と、石川啄木の歌10首の額装(高さ各2・3㍍)である。この左側には幅6㍍の大作品『莫高窟飛天飛遊の夏の穹』がある。シルクロードの西端、敦煌にある世界最大規模の仏教美術に圧倒された作家が、感情を全身で紙に叩(たた)きこめた筆圧は心揺さぶるものがある。

書の注釈資料も配布。4月14日まで。入場無料。

(伊藤志郎、写真も)

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