
全国の地方自治体で政党機関紙の庁舎内勧誘自粛を求める動きが広がる中、東京都港区議会は13日、勧誘の実態調査を求める請願を採択した。6日には目黒区議会でも同様の陳情が採択されており、東京都内の自治体としては初めて実態調査が行われることになる。政党機関紙を巡っては、共産党議員から職員への強引な「しんぶん赤旗」購読勧誘などが問題になっている。

港区の請願は、①職員が庁舎内で政党機関紙の購読を勧誘されたり、その際に心理的な圧力を感じたりしたことがないかを職員に寄り添って調査・確認すること②心理的圧力を感じた職員がいた場合には適切に対応すること―を区に求めた。
共産党の風見利男区議は「憲法19条に保障されている思想の自由は政党機関紙でも同様に保障されるべき」と述べ、不採択にするよう求めたが、26対7の賛成多数で採択された。
実態調査を求める陳情は過去1年の間に40の地方自治体で採択されているが、紹介議員が必要な「請願」が採択されるのは全国で初めて。請願人で「政党機関紙の庁舎内勧誘の自粛を求める都民の会」代表の村上誠氏は「7人の議員が紹介議員になってくれた。この問題に地方議員が真剣に向き合ってくれてとても嬉(うれ)しく思う」と話し、近隣自治体へ動きが広がることを期待した。
これまでに陳情を受けて実態調査を行った自治体の中には、機関紙購読の勧誘を受けた職員のうち8割が心理的圧力を感じたと回答した例もあり、社会問題となっている。
(「しんぶん赤旗」問題取材班)