
能登半島地震の被災地が復興に歩み出すには、膨大な災害ごみの処理が不可欠だ。石川県の住宅被害は7万5千棟に上り、県によると瓦礫(がれき)など災害ごみは約240万㌧に上ると推計されている。
最も多いのが珠洲市の57・6万㌧、続いて七尾市49・8万㌧、輪島市34・9万㌧となっている。ただ、輪島市の独自の推計によると県推計の倍以上の75万㌧となっている。県全体でも県の推計を遥(はる)かに超える可能性がある。実際、熊本地震で出た災害廃棄物の量は、発生2カ月時点での推計の1・6倍311万㌧に上った。
七尾市は奥能登には入らないが、家屋の全壊・半壊が輪島市(約8600棟)を上回る約1万棟に上っている。災害ごみの推計量が珠洲市に次ぐのもそのためとみられる。
七尾市石崎町に設けられた災害廃棄物仮置き場では、家具や畳、家電製品、布団などさまざまな災害ごみを積んだ車が長蛇の列をつくっていた。「待ち時間1時間」の表示がされている。週末などは2時間待ちの時もある。
入り口では福井県越前市から災害支援で派遣された女性係員が、車の誘導に当たっていた。係員は車を一時停止させ、搬入するごみの種類などを聞き、場内の行き先を案内している。七尾市は、災害ごみの搬入について、可燃粗大ごみ、コンクリートくず、家電、畳など10種類に細かく分別して持ってくることを強調している。
処分場には、マットレスを積み上げたものなど、種類ごとのごみの山ができている。畳を置くスペースには、40枚ほど積まれた畳の山が整然と並んでいる。畳8枚を運んできた市内富岡町で電気店を営む男性は「家は半壊状態。なかなか片付かない。今日で7回目です」と、ややうんざりした表情。
先月29日に県が公表した災害ごみ実行計画では、2026年3月末までに処理完了を目指すとしている。馳浩知事は、「ぞっとする数字だが、放置すると復旧・復興の足かせになる。県内の業者だけでは足りないので、全国から支援を頂き、迅速に処理したい」と述べている。
災害廃棄物は、各自治体の仮置き場にいったん集め、陸上や海上で県内外の処理施設に運び、一部は再利用する方針だ。
今後、住宅の公費解体が進むと、瓦礫など廃棄物の量は格段に多くなる。仮置き場が満杯になる恐れもあり、いかに効率的に廃棄物を処理するかが大きな課題となる。その鍵となるのが、細かな分別と再利用だ。大量の瓦礫も木材、金属、コンクリートなど分別することによって、焼却や再利用が可能になる。
東日本大震災で被災した宮城県東松島市では、金属や木材など19品目に分別することで、9割以上の再利用に成功した。分別作業を行う人材の確保が必要になってくるが、東松島では被災者900人を分別作業員として雇用し、人材確保と雇用の一石二鳥を成し遂げている。この東松島方式などを参考に効率的で迅速な廃棄物の処理ができるか、復興のスピードを大きく左右することになるだろう。
(能登半島地震取材班)







