見事な歌舞伎の押絵雛 雅な角館の雛めぐり/秋田県仙北市

秋田県仙北市の角館(かくのだて)で、武家が住んでいた内町(武家屋敷通り)と町人の外町で「雛めぐり」が3月3日まで開かれている(写真)。今年は雪が少なく、歩きやすい。

豪華な雛(ひな)人形をじっくり見学できる家屋・店舗が11カ所と密集しており、食事処やお土産も充実。期間中は押絵(おしえ)づくり体験、おひなさま似顔絵、スタンプラリー、ガイド付き雛めぐりなど企画も豊富。

伝来の享保雛と古今雛に加え土人形や、背景に錦絵を飾る家屋も多い。そして歌舞伎や縁起物の押絵雛が見所十分だ。「押絵」とは綿を詰めた図柄を美しい布で包み、厚紙に貼り合わせたもの。

押絵雛が多い理由は、幕末から明治にかけて近代日本画の巨匠、平福(ひらふく)穂庵(すいあん)・百穂(ひゃくすい)父子をはじめ郷土画家が押絵の下絵や面相を描き、加えて9月初めの「角館祭り」に欠かせない人形師がいたこと、芝居好きな土地柄で呉服屋が多く衣装生地が豊富で、収納が容易な点も普及に拍車をかけた。

町人の外町をいくつか巡ると、江戸時代創業の商家「外町史料館たてつ」の奥座敷には雛壇飾り、内蔵では郷土画人の押絵原画を展示。樺(かば)細工の「八柳商店」では大正時代築のウインドーや座敷で、また味噌(みそ)★油(しょうゆ)醸造元の安藤醸造本店では煉瓦蔵内の座敷にも展示。近年作られた可愛(かわい)らしい吊(つ)るし雛も各所にある。

(伊藤志郎、写真も)

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