無許可勧誘の実態浮き彫り/神奈川県寒川町が職員調査
共産党機関紙「しんぶん赤旗」を含む機関紙の庁舎内での違法な勧誘が全国規模で行われている問題で、本紙は、神奈川県寒川町が全管理職員を対象に実施したアンケート結果を入手した。それによると、管理職の7割が政党機関紙の購読勧誘を受け、そのうち過半数が購読の圧力を感じたことがあることが明らかになった。(「しんぶん赤旗」問題取材班)
寒川町は9月議会で「政党機関紙の庁舎内の勧誘を自粛することを求める陳情」が採択され、市職員を対象にアンケート調査が1月9~16日にかけて実施された。管理職55人のうち49人から回答があった。
「役場庁舎内で議会議員から政党機関紙の勧誘を受けたことがある」との回答は34人(64・9%)いた。その際、「購読をしなければならないというような『圧力』を感じたことがある」のは18人(52・9%)だった。実際に圧力に屈し「政党機関紙を購読した」のは25人(73・5%)もいた。
他の全国の自治体でも、しんぶん赤旗などの購読勧誘について「庁舎内の慣習として断りづらい」との職員の声が上がっている、寒川町でも、心理的圧力や慣習として特定政党の機関紙を多くの職員が購読し続けてきた事実が浮き彫りになった。
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寒川町当局は、機関紙を発行している政党から許可申請が出ておらず、許可証もないため、規則違反だと指摘。今後、許可証の申請があっても、ハラスメントを受けた職員が多くいたことから、許可されない可能性が高い。
寒川町議会は昨年10月26日の本会議で、「政党機関紙の庁舎内勧誘行為の自粛を求める」陳情を採決した結果、賛成と反対が同数になったが、議長採決で採択された。
議会で意見陳述した「政党機関紙の庁舎内勧誘行為の自粛を求める神奈川県民の会」の鈴木光弥さん(70)は、「意見陳述をした際、共産党の議員から威圧を感じた」とした上で、「議会本会議でしっかり判断されたことに嬉(うれ)しく思う。粘り強く活動した甲斐(かい)があった」と話した。