都内でシンポ
世界平和統一家庭連合(旧統一教会)へのバッシング報道を続けるメディアについて検証するシンポジウム「報道はなぜ暴走したのか-ジャーナリストによる徹底検証『旧統一教会報道』-」(主催・UPF―Japan)が20日、東京都内で開かれた。パネリストとして、ノンフィクションライターの窪田順生氏、ノンフィクション作家の福田ますみ氏、著述家の加藤文宏氏の3人が出席し、それぞれの見解を述べた。
窪田氏は報道が「暴走」する要因として、情報源への過度な依存や同業者の報道を無条件に信じやすいなどの問題を、メディア側が抱えていると指摘。一方で、教団を厳しく追及するメディアの立場を尊重しつつも「バランスを欠くのは問題だ。戦時中ではないのだから、信者たちへのインタビューも載せるべきだし、それをするのがメディアの役目だろう」と訴えた。
福田氏は教団信者への拉致監禁問題について触れ、監禁による脱会者の証言が解散命令請求につながったと強調。さらに「霊感商法はこれまでかなり報道され、『巨悪』とも言われたが、拉致監禁問題のことは全く報道されてこなかった。一般の人々はその悪質性も実態も知らない。日本社会における大事件であり、それを言い続けるのは当たり前のこと」と語った。
加藤氏はグーグル検索で、「統一教会」が検索された回数の推移を発表。2022年7月に検索数が激増したものの、その後急降下し、翌23年には安倍晋三元首相の銃撃事件前より検索数は多いものの、低調なままだった。このことから「(報道では)絶え間なく教団と政治の関係が取り沙汰されたが、熱狂していたのは一部の層にすぎない。教団追及は社会に差別と被差別を伴う分断を与え、信者だけでなく日本社会も大いに傷つけた」と結論付けた。