
世界平和統一家庭連合(旧統一教会)への解散命令請求を受け、同連合の信者らによる集会が20日に宮崎県、21日に熊本県で開かれた。集会にはそれぞれ約100人が参加。登壇者は元信者の証言だけに基づく現行の報道は実情と異なるとして自身の経験を語り、現役信者の声にも耳を傾けるよう訴えた。
「人権と信教の自由を守る宮崎集会」(主催・日本民主主義と平和のための宮崎県民の会)に参加した今熊美佐江さん(63)は、合同結婚式を通じて夫と5人の子供に恵まれ、その感謝の思いから喜んで献金を捧げていると話した。2世信者を代表して登壇したリナ彰範さん(25)は、フィリピン人の父と日本人の母が「永遠のパートナーとして愛する努力をしてきたのを見てきた」と語り、「愛のある家庭に生まれて良かった」と強調した。
主催者を代表してあいさつした徳光裕二郎さん(67)は「解散命令請求によって信者が二級市民のような扱いを受けている。被害者の証言だけで進めるのではなく、現役信者の姿を知ってもらいたい」と集会開催の目的を語った。拉致監禁(強制棄教)被害者で医師の小出浩久さん(61)も登壇し、自身の経験と拉致監禁の手口などを語った。
基本的人権・信教の自由を守る熊本県民の会(会長・主海偉佐雄元熊本市議会議長)が主催した「信教の自由を守る熊本集会」では、信者を代表して登壇した女性や青年がテレビのワイドショーなど自分の体験と異なる報道によって心が傷つけられたと心境を吐露した。
同会事務局は、「今まで熊本マラソンなどで演武を披露していた小中学生サークルに対して、市の担当者から参加を拒絶されたり、熊本市内で清掃活動を行ってきた団体への後援を取り消された」と報告し、信徒を差別する社会的な実情を伝えた。
来賓の田中力男元熊本県教育長は、自身が浄土真宗の教えに触れた体験や武士道を書いた新渡戸稲造の例を挙げ、宗教と道徳教育の結び付きに触れるとともに、マスコミの教団への批判報道は現役信者の話を聞かない偏向であると指摘した。