1・1能登半島地震―被災地からの報告(2)液状化、崩壊建物が道路塞ぐ 七尾市(上)

古い洋風木造建築が崩壊し乗用車を押しつぶしている=10日、七尾市(藤橋進撮影、画像の一部を修正しています)
古い洋風木造建築が崩壊し乗用車を押しつぶしている=10日、七尾市(藤橋進撮影、画像の一部を修正しています)

石川県七尾市は「奥能登」へ通じる能登半島の中核都市。今回の地震では震度6強の揺れに襲われた。死者は5人と、輪島市(88人)、珠洲市(99人)と比べればはるかに少ないが、建物や道路、電信柱などのインフラが深刻な被害を受けている。

中でも住宅被害の激しいのは、市内を流れる御祓(みそぎ)川と桜川に挟まれた御祓地区と言われる地域。小丸山城跡の麓に広がり、古い建物が多い地域だが、中でも伝統的な建物が残るのが観光客にも人気の一本杉通り。その通りのシンボルともいうべき、全国的にも知られた、国の登録有形文化財の老舗の和ろうそく店の建物が崩落していた。

昭和期まで能登の商業の中心地だった町だけに、古い洋風木造建築も残っている。その一つが崩壊し、乗用車がぺしゃんこになっている。人的被害がなかったのが、不幸中の幸いというべきだろう。

倒壊を免れた建物でも、傾いたり、壁が落ちたりした建物だらけである。それら建物には「危険」と書かれた赤紙が貼られている。一見、大丈夫そうに見える建物でも「要注意」と書かれた黄色い紙が貼られている。

集積場に搬入された災害廃棄物。地震の発生時刻の前後で止まった時計もあった=15日午後、石川県七尾市
集積場に搬入された災害廃棄物。地震の発生時刻の前後で止まった時計もあった=15日午後、石川県七尾市

かつて中央通り商店街といわれた通りは、既に店を閉めているところが多く、シャッター街化しているが、建物が傾き、隣の建物に寄り掛かっているものもある。

傾いた電信柱の付け根部分を見ると、地面に隙間ができ、そこから砂が吹き出している。液状化によるものとみられる。道路中央のマンホールが40㌢ほども持ち上がった箇所も幾つかあった。現在七尾市は、ほぼ全域で断水が続き、復旧の見通しも立っていないが、水道だけでなく下水道にも被害が及んでいる可能性が高い。

一本杉通りを桜川の方に進む。脇の細い道を見ると、建物が崩落し、道をふさいでいる箇所も数カ所あった。崩壊した建物は、古い土蔵造りの建物らしく、土壁の匂いが鼻を突く。

桜川に近い、松本町、富岡町も被害が激しい。松本町で築100年以上の家が半壊近くになり、市内の親族の家に身を寄せている女性(69)は、「取り壊すにも費用が掛かる。半壊以上は補助が出るとのことだが、うちの場合はどうなるのか。地震保険にも入っていないし」と不安を隠さない。

石川県によると、七尾市の住宅被害は、全壊、半壊、破損が合わせて5452件となっている。被害の最も大きかった輪島市や珠洲市は、まだその全容すらつかめていない。

七尾は市街中心部の商店街や町家で、すでに空き家となった建物も多く、それに地震が追い打ちをかけた形だ。空洞化がさらに進み、町の景観が荒廃するのをどう防ぐか、強力な復興ビジョンが必要となってこよう。(能登半島地震取材班)

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