トップ国内「差別報道撲滅」県民運動へ 沖縄県内有志ら保守系新組織を設立

「差別報道撲滅」県民運動へ 沖縄県内有志ら保守系新組織を設立

情報発信や「差別110番」設置

日本沖縄未来会議に参加した有志ら=12月23日、浦添市の浦添産業振興センター「結の街」で

日本沖縄政策研究フォーラムの仲村覚理事長と、宜野座村の仲間信之村議がこのほど、大手地元紙に「差別報道をされた」として立て続けに会見を開いた。これらの動きに合わせ12月23日、仲村氏を含む有志らが新組織「日本沖縄未来会議」を設立。昨年4月に制定された「沖縄県差別のない社会づくり条例」に協力する形で、「差別報道撲滅県民運動」を展開すると発表した。(沖縄支局・川瀬裕也、写真も)

「デマなど配信していない」仲村氏

地元紙と記者へ訴訟も検討 仲間氏

仲村氏は12月20日、県庁記者クラブで会見を開き、地元紙・沖縄タイムス社の記者(A氏)に差別報道をされたと主張した。仲村氏によると、昨年3月28日、同社は「条例巡り差別デマ配信団体理事長、沖縄県議に成立阻止訴え」との見出しで記事を掲載。

昨年4月に県が制定する県内差別撤廃のための条例に関する記事だが、仲村氏は同条例の成立阻止を訴えていたことは事実だと認めながらも、自身は「差別やデマを配信したことはない」と反論。同記事は「意図的な差別報道だ」と主張した。

加えて、当該記者がX(旧ツイッター)で、仲村氏について「ヘイトデマを流布している」と投稿したことなども事例として挙げ、「一番沖縄の中で力があるマスコミが差別をしている」と訴えた。その上で、同社と当該記者に対して、訂正記事の掲載と、謝罪会見の開催を要求した。

県が定めた「沖縄県差別のない社会づくり条例」には、「人種・国籍・性別・性的指向・性自認・社会的身分・出身その他の事由」を理由とする「不当な差別をしてはならない」と明記されている。

会見に当たり仲村氏は、同条例の施行に伴い昨年9月に設置された県の人権相談窓口に同事例について問い合わせたところ、県が定める「解消しなければならない差別事項」に該当するとして、法務省の人権擁護局を紹介され、現在、同局が定める「ヘイトスピーチ規制法」に抵触するかどうかを含め、検証していると発表した。

12月25日には、宜野座村の仲間氏が、同記者に対して、別件で謝罪要求をする会見を開いた。

日本沖縄未来会議設立集会であいさつする仲間信之氏=12月23日、浦添市の浦添産業振興センター「結の街」

昨年4月13日付1面の同社紙面において当該記者が、仲間氏が所属していた「国守衆(くにもりしゅう)全国評議会・沖縄支部」について、「排外主義団体」と報じたことについて、「いちマスコミである沖縄タイムス(A)記者が、『排外主義団体』と、根拠もなく私に説明するわけでもなく、一方的に書いた。これははっきり言って差別報道だ」と見解を語った。

仲間氏は、一般社団法人日本新聞協会の倫理綱領「人権の尊重」に照らし合わせ、「水に流そうと思った時期もあったが、今後このような被害者が出ないように」との思いから、同社と当該記者に対して「民事と刑事で争っていく」と法廷闘争に持ち込む構えを示した。

12月30日時点で、同社および当該記者から当人たちへの訂正記事や謝罪は出ていない。

これらの動きに合わせ、23日、「日本沖縄未来会議」の設立集会が浦添市内で開かれた。同議長を務める仲村氏をはじめ、仲間氏など有志ら約80人(主催者発表)が集まった。

同会議は、県が推進する反差別条例に則(のっと)り、「県内マスコミによる差別報道の撤廃」を掲げる保守系が大同団結した組織。「沖縄の未来を拓くためには、正しい情報を県民に届けるとともに、マスコミの傍若無人な差別報道を撲滅しなければならない」とする決議文を全会一致で採択した。

今後、同会議は、「チラシ配布、街宣、ネット拡散チーム等を編成」したり、県民の声を拾い上げるために「差別報道110番」を設置し、戦略的に活動していくという。

同会議は2024年1月13日のキックオフ集会を皮切りに、活動を本格化する。参加者の男性は、「県民運動から国民運動にしていかなければならない」と意気込んだ。

米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古へ移設工事を巡る設計承認で、初の代執行が行われ、基地反対運動が転換期を迎える中、地元メディアとの対立姿勢を示した同会議、今後の動きに注目が集まる。

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