音が反響し天然の音響効果

福島県田村市にある鍾乳洞「あぶくま洞」の内部空間で12月、毎週土日にミニコンサートが開かれている。各日ごとに違う演奏者が午前と午後の2回、30分にわたって演奏する。
9日の土曜日は地元福島を中心に活動しているエレクトーンとボーカルのユニット「UandA」が演奏。クリスマスソングやオリジナル曲、洋楽ヒットメドレーなどを披露した。鍾乳石に囲まれた幻想的な空間の中、エレクトーンの演奏と女性ボーカルの澄んだ歌声が響き渡った(写真)。
会場となったのは鍾乳洞入り口から20分ほど奥に進んだところにある「滝根御殿」と呼ばれる場所。自然が造り出した奇々怪々な造形の鍾乳石に囲まれた大空間で、音が反響し天然の音響効果が得られる。24日(日)まで南米音楽や合唱団、ボーカルユニットの歌やサックス演奏などを聞くことができる。
あぶくま洞は1969年に発見され、1973年に一般公開された鍾乳洞で、総延長は3㌔以上に及ぶ。観光可能なコースは全長600㍍で、鍾乳石の種類と数の多さでは東洋一ともいわれている。洞内は年間を通じて気温約15度と温かく、このような環境を利用してワインの貯蔵も行われている。
(長野康彦、写真も)