強制棄教謀る拉致の実態 家庭連合信者が監禁被害語る―長野で集会

拉致被害の体験談を話す野村秀雄さん 10日午後、長野県長野市(2023年12月10日 豊田剛撮影)
拉致被害の体験談を話す野村秀雄さん 10日午後、長野県長野市(2023年12月10日 豊田剛撮影)

世界平和統一家庭連合(家庭連合)の信者に対する強制棄教を目的とした拉致監禁問題の実態を訴える「人権と信教の自由を守る長野集会」(主催・基本的人権と信教の自由を守る長野県民の会)が10日、長野県長野市で開かれ、約150人が参加した。監禁された経験を持つ信者たちが体験談を語り、政府が進める解散命令請求は不当で宗教の自由を脅かすものとして警鐘を鳴らした。

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集会では拉致被害を経験した4人が登壇。同県千曲市在住の野村秀雄さん(58)は、祖母が亡くなった1991年に東京から長野に帰省した際、無理やり山中の旅館に連れていかれ、約80日にわたり拘束された。野村さんは「部屋では家族と親族10人に囲まれ、逃げられないことが分かった。所持金を取られ、身動きが取れない状況になり、脱会を偽装してどうにか逃れた」と振り返る。監禁に携わった牧師はほかの信者の名前や連絡先を聞き出し、「(強制棄教の)次のターゲット」を狙っていたという。

佐藤由美子さん(仮名)は入信後しばらくして実家に帰ると、離れのような建物に連れられ、両親や見知らぬ男性に監視された。しかし、一瞬の隙を見つけて脱出。監禁は1日だけだったが、「今年に入って、母親からは『あなたを探すためにたくさんのお金を使ったが、もうそんな金はない』とポツリと言われた」と涙を抑えながら話した。

「拉致監禁被害をなくす会」代表で医師の小出浩久さん(61)は、91年に東京のマンションで拉致監禁された。1年8カ月後に偽装脱会した小出さんは、それからほかの信者の脱会の手伝いをさせられた経験を持ち、集会で牧師や脱会仲介者による手の内を紹介。世界日報の取材に対して、「親は私を脱会させるために2500万円を使った。これが拉致監禁に携わる牧師(改宗屋)がいる教会の資金源になっているだけでなく、強制改宗されたメンバーがその教会の大半を占めている」と話した。

また、「全国拉致監禁・強制改宗被害者の会」代表で、自身も12年以上にわたり拉致監禁の被害を受けた後藤徹さん(59)は、家庭連合の悪いイメージを植え付けた原因はマスコミの報道にあると指摘した。

主催者を代表してあいさつした北村和久さんは、「家庭連合信徒らは誹謗(ひぼう)中傷の的となり、全国で大きな被害を受けている」と話し、基本的人権と宗教の自由は守られるべきだと強調した。

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