「地球が作り出した鉱山の芸術」 秋田県立博物館 多彩な断面模様に驚き

普段見掛けることのあまりない、切断研磨された鉱石の標本24点が、秋田県立博物館(秋田市金足(かなあし))の1階自然展示室で、生成過程を含め解説されている。

「まるで霜降り」「夕暮れの夜景」「バラの庭園」||それぞれの石が、展示者の愛情あふれる言葉で彩られる。つややかに磨かれた石の断面は、本展示の表題「地球が作り出した鉱山(ヤマ)の芸術品」そのものだ。

特に目を引くのが「晩秋の青空」と名づけられた、孔雀石や青鉛鉱(せいえんこう)、方鉛鉱、緑泥石(りょくでいせき)などからなる鉱石(写真右側)。能代市から来た60代男性は「荒川鉱山跡(大仙市協和)の川で昔、水晶を探したが、こんなに青い石は見たことがない」とじっと見入っていた。

24点のうち、青森県と北海道での産出が各1点で、残りは秋田県産。採取した鉱山も、花輪、荒川、院内は有名だが、不老倉(ふろくら)、明又(あかりまた)、揚の沢(あげのさわ)など未知の地名があり興味深い。

解説によると、これらの鉱石は大別して海底火山型と鉱脈型に分類される。後者は、地層の断層にマグマから放出された数百度の熱水が流れ込み、石英、黄鉄鉱、方鉛鉱などが成長してできるという。内側の結晶が大きく成長し桜の花びらのような模様もあった。石ごとに丁寧な解説図がつく。

金、銀、黄銅鉱、黄鉄鉱、黒鉱もあり、縞(しま)や渦など多彩な断面模様に驚く。(来年9月29日まで)

(伊藤志郎)

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