石井研堂 偉大なる百科事典編集者

福島県こおりやま文学の森資料館

福島県郡山市出身の作家、石井研堂の没後80年を記念し、自筆原稿やゆかりの品々を展示する特別企画展が同市「こおりやま文学の森資料館」で開かれている(写真)。

研堂はエンサイクロペディスト(百科事典編集者)と呼ばれ、明治の文明開化期、世相を見つめ、新しく生まれた文化や風俗などを独自の視点で詳しく書き留めた。その内容は「明治事物起原」として出版され、日本の近代化の様相を後世に伝える貴重な資料となっている。アメリカ議会図書館にもその内容が報告されており「明治事物起原は、この研究に特種の妙味を有し、事実のままの記事でありながら、実は小説ほどに面白いものである」と記録されている。

自筆原稿は丁寧な文字で書かれていて読みやすく、研堂の人柄を感じさせる。研堂が取り組んだ作品には他に漂流記がある。ジョン万次郎や大黒屋光太夫など江戸期の日本人漂流者を題材にした「日本漂流譚」が有名だ。また研堂は理科の実験やなぞなぞなど、子供たちの興味関心を刺激する雑誌「理科十二ケ月」を発刊し、明治・大正期の子供らに夢と希望を与えた。

隣接する久米正雄記念館の2階では「理科十二ケ月」の記事をパネルで紹介している。12月3日まで。

(長野康彦)

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