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【特報】「私は引きこもりではない」 鈴木エイト氏を提訴した後藤徹氏 宗教脱会ビジネス再発を危惧

【特報】家庭連合信者の拉致監禁

福 岡 市 で 開 催 さ れ た 「 基 本 的 人 権 ・ 信 教 の 自 由 を 守 る 福 岡 県 民 の 会 」 に オ ン ラ イ ン 出 演 し 自 身 の 拉 致 監 禁 に つ い て 話 す 小 出 浩 久 氏 ( ス ク リ ー ン 右 )( 竹 澤 安 李 紗 撮 影 )

世界平和統一家庭連合(家庭連合)によれば、信者の脱会、返金を目的とした脱会ビジネスのピークは、およそ30年前だ。信者の拉致監禁、棄教説得に信者の家族・親族、脱会専門活動家、脱会者、牧師、弁護士らが結託し、高額が動いた。

教団の統計で、拉致監禁の年間最高発生件数は1992年の375件。教団主催の国際合同結婚式に有名タレントが参加し、また信者が行ったいわゆる霊感商法が社会問題となりマスコミが教団批判を繰り返した時期だ。全国各地にマンションなどの監禁部屋が存在し、逃げられないようにする施錠や改装はマニュアル化されていた。累計すると過去約4300件の拉致監禁があったという。

このうち「閉じ込められると7割は脱会」(後藤氏)するという。たとえ信仰を継続しても本人にとって衝撃的な被害体験であり、心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症するケースもある。

10月20日、福岡市で家庭連合の信者らが開催した集会「基本的人権・信教の自由を守る福岡県民の会」には、後藤氏と同じように拉致監禁された医師で信者の小出浩久氏がオンラインで自身の体験を証言した。同氏は1992年6月から1年8カ月間、拉致監禁された。監禁された別の信者に脱会を強要する脱会ビジネスのスタッフに加わったこともある。

「私の体験は、拉致監禁強制棄教の被害者だけではなく、一時的には加害者として、人々を苦しめてしまった。そのことも私にとっては心の傷になり苦しい体験だった」と、当時の心境を吐露した。その小出氏の口から拉致監禁で動く金額の多さを示す事実が飛び出した。

「私の父は一昨年亡くなったが、生前、私の妻が介護している時、私の脱会時に『2500万円も使っちゃったんだよ』と打ち明けた」。

脱会ビジネスで流れる金額に驚かされるが、あとで後悔する家族もいる。さらに、1年以上も監禁して強制的に棄教させようとした家族(親)を、小出氏夫妻はどんな思いで介護してきたのだろうか。

「拉致監禁から戻ってきた信者の多くが深刻な人権侵害である拉致監禁を許せない気持ちと、脱会屋の影響を受け加害者となってしまった親兄弟への思いの狭間で葛藤する」(後藤氏)

愛憎の葛藤に苦しみながら、何年もかけて家族との関係修復に努めた信者ほど、「被害を名乗り出て声を上げると、戻りかけた家族関係が水泡に帰すことを心配する」(同)という。拉致監禁問題が表面化しにくい要因の一つだろう。

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