今にも動きそうな恐竜が“お出迎え” 「せんだいわらアートフェスティバル」

宮城県仙台市若林区 震災地の農業応援を

巨大恐竜ティラノサウルス(左)と「わらコング」(右奥)を前にポーズをとるタイ人の家族

高さ5㍍の新作「わらコング」や、かわいらしいウサギ型の「わらうさまる」など約10体の「わらアート」が来場者を迎えてくれる「2023せんだいわらアートフェスティバル」が9月24日から、宮城県仙台市若林区の「せんだい農業園芸センターみどりの杜」で開かれている(12月2日まで)。保育園児や高齢者施設の入居者もゆったりと見学していた。

同センターの入り口では「トラ」(頭部)がお出迎え。会場は園芸センターだけあって、広い敷地にはコスモスやバラなどの花々がそこかしこに咲き乱れる。先に進むとイノシシが静かにたたずんでいた。

そして広場のシンボルである恐竜ティラノサウルスが現れた。ガウォーッと今にも叫び出しそうな迫力ある顔だ。

この「わらアート」、2011年の東日本大震災で甚大な被害を受けた仙台市若林区の農家を応援しようと、有志の学生が集まって作った一般社団法人ReRoots(リルーツ)が中心となり19年に始めた。恐竜は、区内の被災農家からとれた大量の稲わらをもとにリルーツのメンバーらが、わらシート約300枚を編み骨格を覆って作った。

案内板によると「本物は全長13㍍、体高6㍍」だが、わらは体高3㍍と半分の大きさ。わらコング(キングコング)もそうだが、今にも動き出しそうなリアリティーあふれる姿に怖がる子がいるのもうなずける。

タイから観光で来た30代の夫婦は「本物みたいで、わらで作っているとは驚きです」と4歳の娘とともに記念写真を撮り楽しんでいた。その先にはカンガルーや牛もいる。

仙台市の中でも若林区沿岸部の南北10㌔、東西5㌔の広大な農業地域は津波により壊滅的な被害を受けた。震災遺構となった荒浜小学校は会場から車で約5分の距離。

リルーツの学生は当初、農地のがれき撤去や家屋・側溝の泥出しなどを行い、全国から3年間で約3万人のボランティアを受け入れ農地の復旧に努めた。その後は学生らが野菜作りと販売、農作業を手伝うと同時に、過疎化・高齢化が進む地域農業を持続させるためさまざまな地域おこし活動を継続している。「わらアート」はその一環。

(伊藤志郎、写真も)

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