岸田首相演説、現場はピリピリ

トイレや草陰などに危険物がないか、警察は警戒に余念がなかった=14日、高知県高知市(豊田剛撮影)
トイレや草陰などに危険物がないか、警察は警戒に余念がなかった=14日、高知県高知市(豊田剛撮影)

解散命令請求後、初めて

「選挙戦でこれだけの厳しい警備は経験したことない」

岸田文雄首相は14日、参院補選の応援のため高知市入りしたが、あまりにも厳しい警備に演説会場に来ていた有権者の男性は驚きを隠せない様子だった。

文部科学省が東京地裁に世界平和統一家庭連合の解散命令を請求して以来、初めての街頭演説ということもあり、「岸田首相を逆恨みする信者が何かするのでは」とうがった見方をする記者がいたが、何事もなく杞憂に終わった。

会場では、聴衆全員に金属探知機を使った荷物検査が行われた。高知の会場では、聴衆との距離を確保し、街宣車の後ろと横にも広いスペースを設けた。演説後の聴衆とのグータッチは、金属探知機を通過した聴衆に限定した。

ロープが張られたエリアの外にいる人々にも警備は怠らなかった。警察は、演説が見える距離にある東屋に座っていた男性に、ショルダーバッグを開けて見せるよう求め、中身を確認するという念の入れよう。また、トイレに捨てられていたペットボトルの臭いを確認するなど、神経を尖らせていた。

昨年7月の参院選では、奈良市で安倍晋三元首相が演説中に手製の銃で撃たれて死亡する事件が起こったが、その際の警備の不備が指摘されている。今年4月には、衆院補選で和歌山市を訪れていた岸田首相の近くに爆発物が投げ込まれる事件が起きた。

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