旧統一教会の解散請求決定 質問、元信者ら調査し判断 文科省

民法根拠に初

世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の高額献金などの問題を巡り、文部科学省は12日、教団の解散命令を請求する方針を正式決定した。盛山正仁文科相が記者会見で表明した。文化庁による調査の結果、教団は遅くとも1980年以降、困惑や不安に陥れる勧誘活動を続け、被害が約1550人、計約204億円に上ることなどから民法の不法行為に当たり、解散命令事由に該当すると判断。13日にも東京地裁に請求する。

一連の問題は、安倍晋三元首相銃撃事件を機に改めて社会問題化した。多額の献金による家族の分断や困窮などが浮き彫りとなったほか、自民党を中心とした政治家との関係も明るみに出た。事件から約1年3カ月を経て、法人としての存続が裁判で問われる事態に発展した。

政府が民法の不法行為を根拠に解散請求するのは初めて。教団側は全面的に争う方針で、司法が解散の可否をどう判断するかが焦点となる。

決定に先立ち、文科省は諮問機関の宗教法人審議会に解散請求の方針を諮り、了承された。盛山氏は終了後に記者会見し、被害が多額に上ることに加え、「将来の備えを費消して経済状態や家族関係を悪化させ、精神的損害も甚大だ」と言及。不法行為に関し「教団の業務、活動として行っていた」と述べた。

調査を担った文化庁は昨年11月以降、報告徴収・質問権を7回行使したほか、元信者や親が信者の「宗教2世」など170人余りからも聞き取りを実施。約5000点の証拠を集めた。

解散請求後は、地裁が非公開で可否を審理する。解散命令が確定した場合、教団は法人格を失い、清算法人に移行する。税制上の優遇措置は受けられなくなるが、活動は継続できる。

質問権を巡っては、教団が一部回答を拒んだとして、文科省が9月、過料を科すよう地裁に請求している。


宗教法人の解散命令

宗教法人法は第81条で「法令に違反して、著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為」「宗教団体の目的を著しく逸脱した行為」などがあれば、裁判所は解散を命じることができると定めている。こうした法人格の乱用以外にも、礼拝施設や代表役員を一定期間欠くなどして形骸化した場合も認めている。

文化庁によると、過去10年間で、解散命令は年3~21件の計95件に上り、いずれも休眠法人が対象となった。法令違反などで解散が命じられたケースは、地下鉄サリン事件などを起こしたオウム真理教、霊視商法詐欺事件で幹部が有罪判決を受けた明覚寺の2例のみ。過去には、教祖らが信者を死亡させるなどの刑事事件を起こし、請求裁判を受けたが解散命令は下されなかったケースも3例ある。

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