演劇ホールは自然と舞台が一体
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9月10日、舞台背後の大扉が開くと、それを合図に地元の「お熊甲(くまかぶと)祭」が始まった。甲高い鉦(かね)の音に笛、太鼓が会場いっぱいに響き、場内は祭りの雰囲気一色になった。
ここは石川県七尾市の能登演劇堂。俳優の仲代達矢さん肝煎りで、28年前に誕生した演劇専用ホールだ。最大の“売り”は建物周辺の雑木林が、舞台背景にそのまま取り込まれる構造で、自然と舞台が一体となった世界でも珍しい演劇ホールだ。
この日は『北陸文化ノ百花繚乱』(主催・同実行委員会)が開かれ、地元のお熊甲祭(国指定重要無形民俗文化財)がフィナーレを飾った。祭り本番は9月20日で、それより半月余り早い登場だった。
猿田彦を先頭に神輿(みこし)や弁財天の大きな人形が、屈強な青年たちによって舞台に担ぎ込まれ(写真)、本番さながらに練り歩いた。『北陸文化ノ~』は民謡などの古典芸能保存会と気鋭のアーティストが供宴し、「陸ノ章」と「海ノ章」の2部から構成されていた。「陸ノ章」は「天空の七尾城『龍の翼』」で、戦国末期に上杉謙信によって滅ぼされた能登畠山氏の再興と忠誠を誓った長連龍(ちょうつらたつ)(畠山七人衆)の半生をつづった民舞と映像の朗読劇。
「海ノ章」は「北前船『北陸三都ものがたり』」と銘打ち、場内を北前船に見立て、当時の航海の模様を俳優の榊原利彦さんのナレーションと北陸三県の民謡で紹介した。
(日下一彦)







