日本最大級 音楽で街が包まれる

仙台市の秋の風物詩で日本最大級の音楽祭「定禅寺ストリートジャズフェスティバル」が9日と10日開かれた。昨年は新型コロナの規制下だったが、今回は通常開催となり街全体が音楽に包まれた。
数十人のビッグバンドから少人数の演奏グループまでプロ、アマチュア問わず416組約3000人が集結。曲もジャズからポップス、ラテン、フォークソング、映画音楽、民族音楽と多彩。台風13号の影響もなく屋外には『A列車で行こう』『TakeFive』などの名曲も響く。
同フェスの始まりは1991年で今年32回目。新型コロナのため2年間はストリートステージを中止。昨年は出演者を県内在住者に限定したが、今年は規制を撤廃し四つの会場はキッチンカーなども出て人々は飲食も楽しんだ。
演奏は各会場とも午前11時から午後5時20分(4会場のみ夜7時30分まで)、30分刻みに出演者が交替。メイン会場の「勾当台(こうとうだい)公園市民広場」ではビッグバンドが次々と演奏する。
午後2時すぎには、仙台で活動する「アカン帯JAZZ倶楽部」が登場。30代の男性観客は「パーカッションの友達を応援しにきたら、1曲目でガツンときてファンになりました。みんな楽しんでいて嬉しいです」。社会人メンバーによる「hibaraband」のあと、4年ぶり14回目出演の「東芝ライドオンジャズオーケストラ」では女性ボーカルが登壇した。
一方、今年はケヤキ並木で有名な定禅寺通の片側が歩行者天国に。「シンボルロード夏の思い出像」のステージでは、ユーチューブ配信で652万回も視聴されているピアニストのJACOBKOLLERと山形在住のサックスプレーヤー・横澤徹(とおる)が共演。有名なルパン三世の曲を生演奏で聞けるとあって、30㍍先のグリーンベルトでも大勢が耳を傾けた。
また三越脇から藤崎まで続くアーケード街でも三つのステージが設けられ、ギターとピアノの2人組や、民族音楽の演奏も。「おおまち空中ステージ」ではアカペラグループ「FAKE6」の歌に合わせ百人近くが手拍子をとった。
主催の同フェス協会は、音楽家や街づくりの市民、協賛企業などで運営されている。
(伊藤志郎、写真も)





