トップ国内自民県連が玉城知事に申し入れ 国連人権理での演説に疑念

自民県連が玉城知事に申し入れ 国連人権理での演説に疑念

島袋大議会会派長から申し入れ書を受け取る玉城デニー知事(右から3人目)=6日、県庁

玉城デニー知事は今月17日から23日の日程でスイス・ジュネーブを訪問し、国連人権理事会に出席、NPO枠を使ってスピーチする。自民党沖縄県連は6日、県庁で玉城知事と面会し、国連での発言は「冷静かつ平穏なものとしてほしい」と申し入れた。国連はこれまで何度も、政府に沖縄県民を先住民族と認めるべきだとする勧告を出しており、県民からは玉城知事のスピーチについて懸念の声が上がっている。(沖縄支局・川瀬裕也、写真も)

「冷静かつ平穏なものに」

申し入れ書では、米軍基地から派生する諸問題は県民の人権を侵害しているとする玉城知事の主張について、「国際世論に訴えるのではなく、まずは国内政治の場において議論を深めるべき」だと批判した。

米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設を巡る訴訟で、今月4日に最高裁で県の敗訴が確定したことを踏まえ、「行政権の一翼を担う地方公共団体の長たる知事は、確定判決に従って速やかに申請を承認すべき」だと指摘。「(国連)人権理事会の場においては国内法秩序をないがしろにしかねない言動は厳に慎んで」と釘(くぎ)を刺した。

申し入れを受け取った玉城知事は、「人権は国際社会において普遍的な価値観だ」とした上で、スピーチの内容について「(基地問題など)解決のために、県として取り組んでいること(へ)の理解を求める方向は、ある一定程度考えている」と返答した。

これと関連し、玉城知事は8日の定例会見で、沖縄に米軍基地負担が集中する現状や、県が普天間飛行場の辺野古移設に反対する理由(2014年以降3回の知事選や19年の県民投票で「辺野古反対」の民意が示されたことなど)を人権問題として国際社会に発信する意向を表明している。

申し入れ書はまた、玉城知事が7月に中国を訪問し、要人と面会するなど中国政府と接触を重ねていることと関連し、中国共産党系機関紙が沖縄と中国の歴史を取り上げて報道したことや、習近平国家主席が琉球との関係に言及するなどの一連の動きについて「違和感を感じる」として、「日本の地方政府の長たる知事が中国政府に対して誤ったメッセージを送ることのないよう、発言には十分留意して」と、重ねて注文した。

申し入れの席で自民県議は、故翁長雄志知事が2015年に人権理事会で演説した際に、「自己決定権」を「セルフ・ディターミネーション(民族自決)」と訳した問題について指摘した。玉城知事はこれに対し、「翁長(前)知事の発言も確認し、誤解を招く発言にならないように気を付けたい」と応じた。

国連は、沖縄の人々を1879年の県設置以来、日本政府に支配されている「先住民族」であるとして、日本政府宛に「琉球・沖縄の人々を先住民族と認め、その権利を保護すべき」との勧告を2008年以来、計6回にわたり出している。13日には、玉城知事に同勧告の撤回宣言をするよう求める集会が予定されるなど、反発の声も強まっている。

美ら島レスキュー実施 大地震を想定し県と陸自が共催

洋上を模して救助訓練を行う海保のヘリ=5日、陸自那覇駐屯地

沖縄県と陸上自衛隊第15旅団が共催する災害対処実働訓練「美ら島レスキュー2023」が5、6の両日、沖縄本島および宮古、八重山地域で行われた。訓練はマグニチュード9・0の大地震に伴い発生した10㍍の津波による被害を想定した。

5日、那覇駐屯地に「共同指揮所」が設置され、災害用ドローンが撮影した映像を用いて被害情報を収集。自衛隊と海上保安庁、警察、消防で共有、救助作業の流れなどを確認した。

「共同指揮所」で被害状況を確認する自衛隊と消防、海保、警察の参加者ら=5日、陸自那覇駐屯地

被災現場を模した那覇訓練場では、チェーンソーなどを使用した倒木の除去や、要救助者の迅速な救出訓練が行われた。要救助者役の自衛隊員らは、「こっちを先に助けて!」「歩けない!足が折れている」などと、迫真の演技。その中で、県警の隊員や自衛隊員らは冷静に優先順位を見極め(トリアージ)、重傷者を担架で速やかに救助した。

また、洋上を模した基地内のグラウンドにおいて、漂流する要救助者を海保のヘリコプターがホバリング(空中停止)した状態でロープを降ろして救助する訓練も行われた。

午後には与那原町役場で、新型の公共ブロードバンドを使用した映像伝達訓練を実施。6日には那覇市の奥武山公園を避難所に見立て、炊事や浄水の手順を確認した。

訓練には約500人が参加。在日米軍の関係者らも視察に訪れていた。

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