と台湾の頼清徳副総統(同左)=8日午後、台北(時事).jpg)
玉城知事、中国と対話を注文
西田氏は抑止力強調を評価
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自民党の麻生太郎副総裁が8日、台湾・台北市内で講演した際、台湾有事を念頭に「戦う覚悟」が必要だと発言したことについて、県内で賛否が分かれている。玉城デニー知事が同発言に難色を示したほか、一部反発する人々によって抗議集会が行われるなど物議を醸す一方で、安全保障上の観点から、麻生氏発言を肯定的に捉える声も上がっている。(沖縄支局・川瀬裕也)
中国「身の程知らず」と批判も

麻生氏は1972年の日台断交後、初の自民党副総裁による公式訪問として8月7日から3日間の日程で台湾を訪れた。滞在中、蔡英文総統や頼清徳副総統、呉釗燮(しょうしょう)外交部長(外相)らと会談を行い、李登輝元総統の墓地を訪れ献花を行った。
その中で、8日に台北市内で開かれた講演会での麻生氏の発言が物議を呼ぶこととなった。麻生氏は台湾海峡を中心に軍事的圧力を強めている中国を念頭に、「日本、台湾、米国をはじめとした有志の国々(に)、抑止力を機能させる覚悟が求められている」と発言した上で、「戦う覚悟です」と再度強調した。
これについて中国が猛反発。在日中国大使館は9日、「身の程知らずで、でたらめを言っている」とする報道官談話を発表した。
この問題について沖縄の地元紙も反応している。8月10日付の琉球新報は社説で「『専守防衛』を大きく逸脱し、中国を挑発するものである。『戦う覚悟』の強要は許されない」などと激しく批判した。
玉城氏も10日の定例会見で、麻生氏の発言について「従来の政府方針(『一つの中国』)に反するとの指摘がある」とした上で、「政府は誤った受け取られ方をしないよう、中国側と丁寧な対話を重ねてほしい」と懸念を表明した。
13日には市民団体らが県庁前に集まり、「日中友好こそ『戦わない覚悟』」などと書かれたプラカードを手に抗議の声を上げた。
一方で、麻生氏の発言を称賛する声もある。
日台友好のため活動する一般社団法人・日本台湾平和基金会の西田健次郎理事長(元県議会議長)は、「中国共産党は『台湾、琉球は古来より中国の領土だ』と宣伝している」と指摘し、「万全の抑止力を備えなければ、台湾、琉球が香港と同じ運命を余儀なくされる」と語り、麻生氏が抑止力の強化に触れた点を評価した。
西田氏は、「戦争は絶対にあってはならないが、平和構築への『乙女の祈り』だけでは、ロシアの理不尽なウクライナ侵攻を許容することになってしまう」と強調した上で、有事を回避するには、「日本が先陣に立つべきであり、地政学的にキーストーンである沖縄には、それなりの覚悟を持った思考と行動が必要だ」と訴える。
今年4月に県独自の「地域外交室」を設置し、7月に訪中し李強首相らと面談した玉城氏だが、同定例会見で訪台の可能性もあるのか問われると、「今年度内に訪問する方向」であると明らかにした。
依然として「対話による平和構築」を掲げ、独自外交を押し進める方針のようだが、玉城氏は先月の訪中の際、同国海警局の艦船が領海侵入を繰り返す石垣市尖閣諸島の問題については一切言及しなかった。県の所有する島への不当な領海侵入にすら知事として発言できなかったという事実が、対話による平和構築の難しさを表していると言える。
玉城氏は、「来年1月の総統選挙になるべく近くない時期の方がお互いに余裕をもって対応できるのではないか」としており、総統選の時期を避けて訪台する考えを示しているが、具体的な日程はまだ決まっていない。
来年度の沖縄振興予算の内閣府の請求額が3000億円台を下回る見通しだと報道される中、国と対立し、独自外交として外遊を重ねる玉城氏の政治姿勢には批判が集まりそうだ。






