「“解散請求”の要件満たさず」家庭連合2世主催シンポ

「信者の人権を守る二世の会」が主催する第3回シンポ ジウムで議論をする登壇者 30日午後、東京都千代田区 (竹澤安李紗撮影)

世界平和統一家庭連合(家庭連合)の2世信者が立ち上げた「信者の人権を守る二世の会」は30日、3回目のシンポジウムを都内で開き、文化庁の質問権行使による家庭連合の解散命令請求問題について議論を交わした。憲法と政教分離に詳しい国際歴史論戦研究所の杉原誠四郎会長や、家庭連合のコンプライアンスを第三者的視点で助言する立場にある中山達樹弁護士らが登壇した。

中山弁護士は基調講演で、解散命令請求の三つの要件「組織性、継続性、悪質性」から見ると、「家庭連合の解散の確率はゼロ」との認識を示した。しかし「現実問題として、最高裁が国(政府)に忖度する」可能性も否めないとし、「(信者が発信して)世論を変えなければいけない」と語った。

パネルディスカッションで、ジャーナリストの福田ますみ氏は「旧統一教会へのバッシングにはイデオロギーが関係している」と指摘した上で、「全国弁連(全国霊感商法対策弁護士連絡会)は、1987年にスパイ防止法制定を阻止するためにできたのは確実であり、霊感商法が社会問題になったのは全国弁連が立ち上がったからだ」と強調した。さらに、12年5カ月にわたって拉致監禁されて強制改宗の被害を受けた後藤徹氏の事例を挙げて「旧統一教会の拉致監禁問題を語らずして、家庭連合の問題を語ることはできない」と訴えた。

5地方議会による家庭連合との関係断絶決議の取り消しを求めた訴訟で原告の代理人を務める徳永信一弁護士は、解散命令請求に関する議論に対して「日本では信仰の自由と政教分離についての議論が欠けている」と語り、米国における政教分離の歴史に触れながら解説した。

同会代表の小嶌希晶さんは、第1回シンポジウム(4月)後に、ある信者から「テレビの過激な報道を見て悩んでいた20代の娘が自殺したが、娘と同世代の皆さんを応援している」という感想が届いたことを涙ぐみながらに明かし、「信仰を持つ人たちの気持ちを少しでも多くの人たちに分かってもらいたい」と切実な心情を吐露した。

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